SCREEN modeが語る、“次のステージ”への決意 「今年は勝負の年、全身全霊をこめてやる」

「次のステージに行く感じを表現した」(雅友)

--いい話です。ではニューシングルの話に行きましょうか。「極限Dreamer」。タイムボカンシリーズ40周年記念作『夜ノヤッターマン』オープニング主題歌になってます。

雅友:この作品は秘密が多くて、情報が内緒のまま進行していたというか。HP上でも、キー・ビジュアルもずっと出ていなくて、僕らもその程度しか教えてもらえなかったので、想像で作った部分もあるんですけど。過去のヤッターマンとはがらっと変えたいということがまずあったので、音楽的にも、過去のテイストに縛られずに作ってくださいというのが、言われたことですね。ヤッターマンというと僕は、リアルタイムで子供の頃に見ていたので、山本正之さんの作ったあの曲の感じが。

--ああ~。そうでしたね。

雅友:山本さんは中日ドラゴンズのテーマ曲も書いてるんですよ。「燃えよドラゴンズ!」という。僕は名古屋なので、山本さんのあの感じが刷り込まれすぎてて(笑)。それを変えていくのは、けっこうチャレンジでしたね。

勇-YOU-:最初のイメージが強すぎた(笑)。

雅友:そうそう。それでランティスのスタッフとも相談していく中で、完全なロックというよりも広がりのある感じ、四つ打ちだったり、デジタルっぽくハイブリッドな感じがあったほうがいいんじゃないか?という話になって。“未来の扉を開く”という歌詞もあるんですけど、次のステージに行く感じを表現したというのはあります。

勇-YOU-:最初に聴いた時は、オープニングにふさわしい、疾走感のある曲だなというのと、近未来っぽいなという、最初のイメージはそんな感じでした。

--ゴージャスにうねるストリングス、めっちゃカッコいいです。あれは最初から?

雅友:最初のデモにはなかったんですけど、“あったらカッコいいんじゃないか”ということで、いろいろ工夫して書きました。ストリングスのスコアを書くことはずっとやってきてるので。ただ、今までやってきた中でも最大限に激しいフレーズのストリングスだと思います。ヴァイオリン10人、ヴィオラ2人、チェロ2人、の合計14人でレコーディングしたんですけど、一回弾いて、終わったらみんな“はぁ~”という低いどよめきが起きた(笑)。

勇-YOU-:普段弾くよりも速い?

雅友:速いし、弾かなきゃいけないことが多いから。ダーッとやって、はぁ~みたいな(笑)。

勇-YOU-:それを感じさせるような、エネルギッシュな音ですよね。

雅友:雅友サウンドといいますか、僕のアレンジでよくある感じなんですよ。休ませないというか、その場にいる人力で全部やる感じ。ヴァイオリンが2パート、ヴィオラ、チェロ、ドラム、ピアノ、ベース、ギターの8パートで、手を替え品を替えてやっていく。それは僕が大切している部分かもしれないです。シンセで音を足すのは簡単なんですけど、足しすぎない。

--バンド感ですかね。

雅友:というか、オーケストラの考え方に近いです。今のポップミュージックみたいに、次から次へとシンセを足していって、100トラックありますとか、オーケストラならありえないから。その場にいる人たちでやるしかないから。その発想に近いです。

--失礼ですけど、雅友さん、クラシックの素養は?

雅友:好きで聴いてますけど、専門的な知識は独学です。

--そして勇-YOU-さんは、曲をもらってどんな歌詞を書こうと?

勇-YOU-:今回は『夜ノヤッターマン』ということで、今までにないヤッターマンを打ち出していくのが大きなテーマでもあったので。新たな挑戦に立ち向かっていくというということ、リスナーの方に“一緒に行こうぜ”という思いを込めて表現できたらなと思ってました。第一話を見させてもらったんですけど、今までのヤッターマンと全然違うから。そうそう、実は昨日、もっとあとの話で、ちょびっとだけ役をいただいて、(声の仕事を)やってきたんですよ。これ、もう言ってもいいのかな?

--スタッフからマルが出てるのでいいと思います(笑)。

勇-YOU-:そしたら、最初のストーリーから予測できないような展開になっているし、それがめちゃくちゃ面白くて。そういった意味でも、みんなが新しい挑戦をしているんだなと。今までは一話完結だったけど、今回は全体的なストーリーがあるんですよ。そういう情報からヒントをいただいて歌詞を書いたので、気持ちはつながってると思います。第一話でも、ドロンボー一味がコスチュームを着て、ヤッターマンに立ち向かっていくというところで流れたので、いいところで使ってもらえたなと思います。

--あと、これは歌詞を読みながら聴いてもらわないとわからないんですけどね。ソラミミのパートがあるじゃないですか。英語のように見せて実は日本語だったとか。

勇-YOU-:気づいていただけましたか(笑)。英語表記にして、両方の意味があるようにしたかったので。歌詞を追って見ていただければ、カラクリに気づくようになっていて。

雅友:歌詞を考える上で、二つの言葉が案としてあって。日本語版と英語版と。一緒にしたら面白いんじゃない?というのが最初の発端だったんですけど。

勇-YOU-:どちらでもつながるし。歌詞を見たらそれに気づくという面白さがあると思います。今まででとは違う感覚ですね。

--「極限Dreamer」というタイトルは?

雅友:キーワードとしては、最初の段階からありましたね。“極限Higher”“極限Dreamer”は。

勇-YOU-:一番最初の仮タイトルが「Shooting Star」とかで。もう少し捻って、何か違うものにしようということで、「極限Dreamer」になりました。

雅友:前のミニアルバムが『Natural High Dreamer』なので。その時は、夢を見ているという状態だったんですけど、今回はそれが極限まで行っちゃってる。アルバムからさらに高まっているという。

--ああ、そうか! そのつながりは気づかなかった。

勇-YOU-:実はそうなんです。

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