2015年アイドル界のブレイク筆頭?  夢みるアドレセンスに加わった“最後のピース”とは

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志田友美。(写真=藤巻祐介)

 そのMCで「みなさんにしっとり聴いてほしい曲です」と紹介して始まったのは、ミディアム・ナンバー「秘密」。歌うメンバー以外はステージの階段に座り、サビで全員が立つというのも、このステージ構造ならではの演出だ。アコースティック・ギターの響きからバンドサウンドへ展開していく「ヒロイン」は、メンバーそれぞれのソロ・パートで大人びた面も感じさせた。振り付けがなく、スタンドマイクのみで歌うのもこの日のライヴでは珍しい。「秘密」「ヒロイン」を続けて見ると、演出のメリハリを感じた。

 ここで一旦メンバーがステージを去り、続くのはメンバーのソロ・コーナーだった。 志田友美のソロ曲「YOU&ME」では、彼女がステージ最上段から登場し、そこには椅子とテーブルが用意されている。ステージのバックにはキラキラと光るシートが広がり、さらにライトが当てられる。「YOU&ME」はアイドルポップスとしても魅力的だ。続く「勝ち猫とおニャき」は京佳のソロ曲。猫耳を付けて歌う爽快なロックナンバーだ。間奏がジャジーになるのも面白い。そして京佳は、ステージ2段目で寝転んで茶目っ気を見せていた。ソロ・コーナーを締めくくったのは、荻野可鈴のソロ曲「いつかお姫様が」。照明がまるで花畑のような光景を生み出す。この曲はソフトロック的で、曲名に合わせたかのような衣装とのズレが面白かった。

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京佳。(写真=藤巻祐介)

 再び全員揃っての「証明ティンエイジャー」は、2014年9月にオリコン週間シングルランキング5位を獲得したロックナンバー。一気にファンのコールも熱くなり、キンブレ(電池式サイリウム)もさらに激しく振られた。

 MCでは、2014年を振り返るトークがあったが、質問の紙を取り出すための箱を抱えた男性スタッフが出たり戻ったりするのがおかしかった。そしてメンバーは叫んだ。「次の曲はクラップが必要なんです、立っちゃおう!」。

 クラップが必要な曲とは、2014年4月にオリコン週間シングルランキング10位を獲得した「マワルセカイ」。Aメロでクラップさせる楽曲が一体感を生み出す。続く「純情マリオネット」は、マイナーコードが多用されていて影がある楽曲。個人的に、この日一番気に入った楽曲だ。バックトラックではエレクトロも鳴る。

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