大森靖子はこうして“変態”を遂げた 3年間撮り続けた写真家が語る、彼女の素顔

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 そして氏は、彼女の評価を大きく高めた1ndアルバム『魔法が使えないなら死にたい』のジャケット写真を担当することになる。

「ジャケットのイメージを決める際、彼女にデモ音源を聴かせてもらったのですが、打ち込みでポップな曲調の2曲目『音楽を捨てよ、そして音楽へ』を聴いた瞬間、“この子は本気で売れるミュージシャンを目指しているんだ”と、その気迫を感じました。実際、彼女はある種のオーラのようなものを纏い始めていて、当時の写真の表情にもそれが出ていたと思います。その様子は、ひとりの人間が覚悟を決めることによって、ここまで変わるものかと驚くほどで、まさに“変態”していったという表現がぴったりかと。その様子を克明に捉えていった写真集としては、申し分のない仕上がりになっているかと思いますし、気持ちの強さひとつで人はここまで変われるという事実は、多くの人々ーー特に同世代の女性に大きな勇気を与えるのではないかと。出会った頃の素朴な彼女が、才気あふれるアーティストへと変わっていく過程を見てほしいですね」

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 なお、金子山氏は、12月3日に発売される大森靖子のメジャー1stアルバム『洗脳』のジャケット写真と、初回限定盤の付録となるフォトブックの写真を撮影した写真家・佐内正史氏の元アシスタントでもある。アルバムと合わせて購入すると、写真家の“師弟対決”も楽しめそうだ。

 また、写真集購入者は、録りおろし音源「東京地下一階」「音楽を捨てよ、そして音楽へ」「ミッドナイト清純異性交遊」「お茶碗」の4曲より、1曲をダウンロードできるおまけ付きとなっている。

(文=松田広宣)

■書籍情報
『大森靖子写真集 変態少女』
著者:金子山
発売:12 月 26 日
体裁:B5 変型判/並製ビニールカバー/ 184 頁
価格:本体 3000 円+税
ISBN:978-4-907435-41-7
発行:スペースシャワーネットワーク

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