乃木坂46、歴代センターの系譜を振り返る 彼女たちはなぜセンターに選ばれたのか?

 白石を乃木坂46のセンターとして強く認識している方は少なくないだろうが、彼女がセンターを務めたのはグループの歴史上、『ガールズルール』のリリースから約半年の期間だけである。全国ツアーや『ガールズルール』を携えたプロモーション期間が長かったため、印象は強く残っているものの、実際は1枚のシングルでしかセンターに立っていない。乃木坂46の知名度が上がるにつれ、「アイドル・白石麻衣」と「モデル・白石麻衣」の需要は高まり、その極度の忙しさ故、彼女がセンターを務めるのは難しいということもあるかもしれない。

 そして話は冒頭にあった、1年前の10月7日に戻る。国立代々木競技場第一体育館での『真夏の全国ツアー2013 FINAL!』での選抜発表に関しては、『乃木坂って、どこ?』のスケジュール上、放送より先に会場で選抜メンバーがサプライズ発表されるであろうと多くのファンが予想していた。このときの選抜発表の注目点とされたのは、白石麻衣のセンターは継続されるのか、あるいは生駒里奈がセンターに復帰するのか、はたまた新たなセンターが生まれるのかという点であり、そんな中で堀の名前が呼ばれたのだ。堀は『乃木坂って、どこ?』への出演も2回のみで、研究生という立場から、ブログもリレー方式でしか回ってこなかったため、多くのファンは彼女のことをまだよく知らない段階だった。そんな堀が抜擢されたことによる賛否の声が多数挙がるなか、堀は “前作のセンター白石を拳銃で撃ちぬく”という衝撃のMVが話題になった「バレッタ」と、「そんなバカな…」の両方でセンターを務め、『乃木坂46 Merry X'mas Show 2013』ではセンターとして堂々のパフォーマンスを披露した。

 堀を巡るこの出来事は、結果として、1期生が2期生に対して真剣に向き合うきっかけを与えた。その後、『16人のプリンシパル』やアンダーライブを通してお互いの距離は縮まっていったのも、この最初の一歩があったからだろう。結局、『乃木坂って、どこ?』の放送で読まれた運営からの手紙の通り、1期生は堀を人気メンバーへと育て上げ、研究生も1期生とともに活動することで成長を遂げている。

 2014年1月には、同番組にて8thシングル『気づいたら片想い』の選抜メンバーが発表された。ファンの間で色々な予想が飛び交う中、センターに選ばれたのは西野七瀬だった。1stシングルから継続して選抜に選ばれているメンバーではあるが、運営期待の星、というよりは、むしろファンとともに後列から成り上がってきた存在だ。ただ、白石麻衣と握手会での人気を争うような存在になっていた当時でも、彼女がセンターに立つことに不安を覚えるファンは多かった。それは、西野が極度の人見知りで、番組などで涙することも多く、グループを引っ張っていくようなタイプではなかったからだろう。後列から成り上がった西野に期待する声とともに、センターの重圧に西野が耐えられるのかと心配する声も多かった。シングルの発売前にはAKB48グループの『大組閣祭り』が行われ、生駒里奈と松井玲奈の“交換留学”が発表されたことにより、話題的は若干の逆風が吹いていたものの、いざ発売されると初動45万枚を記録し、多くの人が共感できるその楽曲からファンを増やすことにも成功している。

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