ONE OK ROCK、スタジアム・バンドとしての実力を発揮 圧倒的なスケール感に6万人が熱狂

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3万人のオーディエンスが揃って腕を上げる姿は壮観だった。

 続く「Living Dolls」を披露した後は、Takaの呼びかけのもと、オーディエンスがそれぞれのスマートフォンのライトを付け、スタジアムが無数の光に包まれた。Takaは「今日、皆さんはいろんな思いを持ってやってきていると思うけど、俺たちも一緒で、すごい気持ちでステージに立っているよ」と優しく語り「暗闇を光に変えてほしい」という気持ちで作ったという「Be the light」を熱唱する。

 その後のMCでは、オーディエンスたちとコミュニケーションを深める場面が目立った。鹿児島から来たという女性をステージに上げ、メンバーが変わる変わるハグで迎える一コマも。また、Toruのリクエストにより会場全体で“ウェーブ”にも挑戦。見事成功し、オーディエンス同士の結束もより固まったようだ。ここ数年、急速な人気拡大と海外進出で、より高いステージへと上り詰めたONE OK ROCKだが、Takaの言う通り、その根底にはファンへの変わらぬ信頼があることが伺えるひと時だった。

 13曲目からは、スタジアムの中央付近に据えられた特設ステージで、アコースティック・ライブを開始。TakaとRyotaが最も好きな曲だというヴァネッサ・カールトン「A Thousand Miles」のカバーや、メジャーデビューアルバム『ゼイタクビョウ』より「欲望に満ちた青年団」、9月13日より公開している『るろうに剣心 伝説の最期編』の主題歌「Heartache」などを、アコースティック編成の優しい音色で聴かせた。

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Takaのカリスマ的な魅力も存分に発揮されていた。

 再びバンドスタイルに戻ると、今度は一気にハイテンションな楽曲が続く。ステージを縦横無尽に駆け巡りながら、「Decision」「Re:make」「恋ノアイボウ心ノクピド」「NO SCARED」「完全感覚Dreamer」と、渾身のパフォーマンスを繰り広げるONE OK ROCK。骨太なサウンド、スタジアムバンドとしてのスケール感、そしてTakaの圧倒的な求心力は、洋邦の垣根を越える凄みさえ感じさせる。エアロスミスやレッチリといった海外の伝説的バンドと並べても、そのステージングは決して劣るものではないだろう。

 アンコールの声援に応えて、再びステージに上がったメンバーは名曲「Wherever you are」をじっくりと聴かせた後、Takaの「さぁ、ここからはガンガン行くよ!」というかけ声から人気曲「キミシダイ列車」を熱唱。そしてラスト、Takaは「前回のアリーナの時は、この曲を歌う前に僕はこう言いました。“この曲が終わったと同時になにかを始めてみてください”と。心の中でむずむずしているものは、やがていろいろなネガティブなものに変わります。そうなる前に、どうか自分のやりたいことを、始めてみてください」と、オーディエンスにメッセージを送った後「The Beginning」を歌い上げ、二日間に及ぶ横浜スタジアム公演は幕を閉じた。

 海外での活動を経て、さらにエンターテイナーとしてレベルアップしたことを感じさせたONE OK ROCK。今回のライブの熱狂は、10月26日(日)にWOWOWにてオンエアされる予定となっているので、そちらもぜひチェックしたい。

(文=松田広宣)

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