MUCCはなぜオーディエンスを驚かせ続けるのか? ミヤ「僕らは無難にやっていけるほど偉くない」

「規制はすごく多いんだけど、ネットがあればモザイクなしで何でも見れる」(ミヤ)

――なるほど。そして9月10日には早くもニューシングル『故に、摩天楼』がリリースされますが、これが非常にポップな曲に仕上がっていて。最近はサウンドも歌詞もヘビィな楽曲が多かったので、またしても意外な展開だな、と。

ミヤ:この曲はアルバム(『THE END OF THE WORLD』)を作ってた頃にはあったんですけど、わかりやすい曲にしたいっていうのはありましたね。ポップな部分がありつつ、そうじゃない要素もあるっていう曲にしたくて。

逹瑯:すごくキャッチーで覚えやすいっていうのが、第一印象でした。最近のMUCCにはないテイストの曲だし、「どんな感じになるのかな?」って思ったんですけど、歌を入れたら「ぜんぜんアリだな」って。

YUKKE:途中で悲しい感じのメロディが入ってくるんですけど、それもすごく良いんですよね。Aメロやサビはポップで力強いから、(悲しいテイストのメロディが加わることで)ギャップが生まれるというか。落差があったり、途中でガラッと変わる曲が好きなんですよ、もともと。既にライブでもやってるんですけど、この曲を入れることで、かなりライブの印象が変わるんですよね。

SATOち:お客さんも楽しんでると思いますよ。みんなキラキラした表情をしていて、「こういう光景は久しぶりだな。これもいいな」って思ったりもして。

――カップリングには強力なヘビィロック・チューン「Conquest」を収録。表題曲とはまったくタイプの違う曲を入れるという狙いはありました?

ミヤ:そんなに意識してなかったですね。この曲はアルバムの延長線上だと思うんですよ。6月のツアー中に作ったから、いまのライブの感じにも近いし。

YUKKE:かなり日が詰まってたんですよ。ツアーから帰ってきた次の日にRECみたいな感じで。だから、良い意味でライブの気分が出てるんじゃないですかね。プレイしてて楽しいタイプの曲だし。

逹瑯:俺はけっこうしんどかったですけどね(笑)。勢いを重視していい曲だったから何とかなったけど、もっと繊細なアプローチが必要だったら、きつかったかもしれない。

――「Conquet」にはMUCCの暴力性がすごく出ていると思います。「金田一少年の事件簿R」を好きな子供がこのCDを買ったら、「何だこの曲?!」ってめちゃくちゃ驚くと思うんですが。

YUKKE:ハハッ(笑)。小学生が聴いたら、そうかもしれないですね。

ミヤ:“ペアレンタル・アドバイザリー”を付けたほうが良かったかな(笑)。

逹瑯:勝手に“R15指定”とかにしたら、話題になって売れるかも。

ミヤ:おもしろいね、それ。でも、どうなんだろうね。いまの子たちはいろいろ聴いてるから、これくらいは大丈夫じゃないですか。“青少年の成長に不適切な表現が含まれています”って言っても、そういう規制があれば、絶対、見たくなるじゃないですか。それはいまの社会の縮図ですよね。規制はすごく多いんだけど、ネットがあればモザイクなしで何でも見れるっていうギャップ。あとはもう、“自分で選べ”って感じですけどね。

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