EXILE TRIBEの新作がチャート1位 人材育成・ビジネス面での“ぬかりない”戦略とは?

 そして重要なのは、本作が今日からスタートする全国ドームツアーの連動型アルバムだということ。曲順については不明だが、収録曲すべてをパフォーマンスすることは既に約束されており、であればコンサートに行く前に作品を聴き込んでいくのがファンのマナーとなる。CDよりライブに比重が置かれ、ライブは満員でもCDは売れないアーティストが多いと言われる昨今、この手法ならばCDは必ず売れる。初登場で251,255枚のセールスは当然なのだ。

 2位以下。売れ続けるドリカムの下に、UNISON SQUARE GARDENの『Catcher In The Spy』とsyrup16gの復活作『Hurt』がランクインしているのも興味深い。ド派手なエンタメか、誠実なギターロックか、陰鬱なダークサイドか、それぞれ違いはある。ただ、今週のチャートは、熱心にそのアーティストの音楽を欲しているファンの顔が見える、という気がして、なんだか妙に温かい気持ちになった。冒頭の話を蒸し返すなら「すこーしも寒くないわ」。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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