きのこ帝国、バックドロップシンデレラ、感覚ピエロ……今聴くべき若手実力派バンド12選

八十八ヶ所巡礼

八十八ヶ所巡礼「霊界ヌ〜ボ〜♨」

 奇妙なバンド名、形容し難い音楽性、インパクトのあるビジュアル、そして何よりも圧倒的な演奏力で不気味な存在感を放っているバンド。目立ったメディア露出もなく、クチコミとライブ活動のみでカルト的な人気を誇り、聴く者を恍惚状態に誘う魅力がある。

感覚ピエロ

感覚ピエロ「メリーさん」MV

 2013年7月に大阪で結成、活動開始とともに自主レーベルを立ち上げ、完全セルフプロデュースでじわじわと注目を浴びている新進気鋭のバンド。結成から約1年とは思えない演奏力と風格。奇を衒ったものからダンサブルなものまで悠々とこなしてしまう余裕にセンスの高さを感じる。

感覚ピエロ「Japanese - Pop - Music」

 「Japanese-Pop-Music」はスタイリッシュにまとめ上げられたポップミュージックという印象の楽曲だが、歌詞の内容は商業音楽を赤裸々に嘲笑う風刺。近年、こうした皮肉めいたことを歌うアーティストも少なくなり、場合によっては“イタさ”を感じることもあるが、それをポップミュージックに落とし込んでいる手腕は痛快だ。そしてこれほどまでにクオリティの高い楽曲とMVを制作しながらも、音源の配信はもちろん、流通すらしていない。音源の販売はライブ会場かオフィシャルサイトの通販のみという強気な姿勢に、インディーズからメジャーへの宣戦布告が読み取れる。

winnie

winnie「crash and burn」

 ioriの持つVギターのポルカドット柄がバンドのシンボルになっている、男女ツインボーカルの4人組。エモーショナルロックに分類される音楽ではあるが、疾走感ある楽曲ながらも譜割を大きめにとる優美なメロディーが印象的。時折見せるメタルなギターがサウンドに拡がりをもたらし、綿密なアンサンブルの要となっている。そして何よりもウィスパー気味の男女ボーカルの混ざり合いに淡い美しさが漂う。パンキッシュな攻撃性と、包み込むようなポップさを併せ持つ、独自のバランス感覚を持った実力派。

アンドロメルト

アンドロメルト「レスキューインフェルノ」

 インディーズながら、送ったデモをきっかけに「佐久間正英プロデュース」となり、予想外の広がりを見せているバンド。(参考記事:注目のインディーズバンド・アンドロメルトが語る、佐久間正英の「素材ありき」プロデュース術)。野太くも儚い青木凛の歌声と、爆音とエフェクトを巧みに使い分けるギター、駆け巡る電子音が融合。女性オルタナロックの“居そうで居なかった感”は、王道とも進化系とも捉えられそうだ。

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