X JAPAN・Toshl、洗脳生活を語る「自分はボーカルに値しないと感じていた」

 1997年12月31日に行われたX JAPANのラストライブでは、ステージ上で団体から受けた罵倒や暴力がフィードバックする中で、HIDEが「Toshlくん、パァーっと! パァーっと!」と叫び、Toshlは笑顔に戻れたという。Toshlはこの時について「HIDEとの最後のコミュニケーションだった」と悲しい顔で振り返った。

 その後、Toshlは洗脳後の過酷な生活を告白。スタジオではVTRを見た大竹しのぶが、「どんな暴力をどれくらい受けたのか?」と質問。Toshlは「毎日暴力を受けていた。馬乗りになられて殴りつけられたり、アザもできていた。僕を働かせ、コントロールするために手を挙げていた」と説明し、スタジオは驚きに包まれた。

 番組後半では、洗脳から抜け出す過程についてのVTRを放送。ToshlはX JAPANの活動に反対していたM氏が、お金を積み上げられた途端、再結成話に賛成したことに疑念を抱いたという。X JAPAN再結成後も金銭を搾取し続けられたことについても、Toshlは「納得ができなかったし、(M氏の)性根を見た」と語った。

 そして、Toshlは、ソロでのコンサート会場で出会った現在の所属事務所社長の手によって匿われ、洗脳からの脱出に成功。Toshlはこの出会いについて「偶然の出会いがあって、それで抜け出すことができた。若い時に世間知らずで何もないまま上がっていった。その時に親身になって向き合ってくれる人がいれば、人生を踏み外すことはなかった」と、過去を振り返ってゆっくりと感想を述べた。

 番組の最後には、再出発の意味を込めて「Forever Love」をピアノ弾き語りで熱唱。演奏後、Toshlの「人生はやりなおせるし、一歩踏み出せる」という言葉とともに番組は終了した。

 Toshlがバンド脱退からHIDEの死、再結成時の苦しみまでを語った今回の放送。ファンにはもちろん、一般の視聴者にとっても衝撃の内容であった。

(文=向原康太)

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