「5人で鳴らせば、Drop’sらしくなる」期待の女子R&Rバンドがポップセンスを開花させるまで

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「メンバー全員の『かっこいい』と思える基準は揃っている」

――いまも5人のメンバーは全員、札幌在住なんですね。

中野:そうですね。大学に行っているメンバーがいるので、いまは札幌です。月に1回くらい、こうしたキャンペーンの時だけ東京に来ていて、ライブのために日帰りで来ることもあります。そうして往復してみても、やはり練習したり暮らしたりするのには札幌が合っているなとは思います。メンバー間でも、急いで上京しようという話は出てこないし、現時点では、あくまでも札幌を拠点にと考えています。

――曲づくりやレコーディングは、5人の間でどのようなプロセスで行っているのですか。

中野:まず、私が弾き語りの形でスタジオに持っていきます。その時点で大体の構成は考えられているので、それに沿って一度全員でセッションして、ここはこうしたほうが良いとかああした方が良いとかの意見を出し合い、各々のパートでもアレンジしながら合わせていって。意見がぶつかることもありますが、最終的には全員が納得する形で完成します。

――もともと友達関係から始まったバンドですが、プロとしてメジャーデビューをするにあたり、なにか変化はありましたか?

中野:特にはないですね。高校生のときからずっと一緒にやっているので、友達でもあり、でも音楽を作るときは言いたいことを言い合える関係でもあります。だから、私が中心となって物事を進めていても、メンバーからどんどん良いアイデアが出てくるんです。「DRY DRIVE」という曲だとギターの荒谷が作曲したように、いつも全員で話し合って作っていて。みんな好きな音楽はバラバラですが、バンドで合わせるときに「かっこいい」と思える基準は揃っている……そんな関係性です。

――中野さんは非常にパワフルな歌声の持ち主で、日本のロック史の中でもこれほど迫力のある女性ボーカリストは稀有だと思います。“自分が歌える”というのは高校生時代に初めて気づいたんですか?

中野:ありがとうございます。しゃがれた声には憧れがあったんですが、特に意識することなく、バンドを始めて歌い出したら自然と出ました。あと歌い方は今回、試行錯誤しました。さっき言ったような歌謡曲の歌い方って、意外とサラッとしていますよね。前までは自分の感情が高まっていないとダメだというか、それが良いと思って歌っていたんですが、最近、あえてサラッと歌うことで伝わることもあるのかなと思って。だから『HELLO』では、曲によっていろんな歌い方に挑戦しました。

――冒頭の話ともつながるのですが、バンドの演奏を組み立てる上で、ポップなものとブルージーなものを合わせるのって難しいですよね。

中野:それが上手くいったことは、メンバーの力が大きいです。メロディやコード進行は私が作るんですけど、鳴らしてみるまでは正直どうなるかわからないし、鳴らしてみて、それぞれの細かいこだわりとか新しく挑戦したいこととかも出てくるだろうし。サウンドは、全員に任せている部分です。

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