神田沙也加、新ユニット結成の意図は？　デビューライブで見せた“アーティスト”としての可能性

　BillyのMCも特筆すべき点かもしれない。トークショーでは人前でしゃべるのに慣れていないのか、朴訥とした受け答えを繰り返し、神田沙也加に突っ込まれるシーンが目立ったが、ライブが始まると豹変。「みなさん、調子はどうですかー！」と叫び、オーディエンスが歓声で応えるも、小声で「TRUSTRICK最高！って言ってほしい……」とリクエスト。会場を大いに笑わせ、神田沙也加からも「君はライブが始まると人格が変わるタイプだね」と驚かれていた。

　ライブ終盤、音数を抑えた大人っぽいバラード「君が居る未来のために」、きらびやかなシンセサウンドが今風な「Jealousy Jelly」と２曲続けて披露し、本編が終了。そしてアンコールでは、TRUSTRICK結成のきっかけとなった「ATLAS」が演奏された。グランジロックの香りが漂うミドルテンポの楽曲と、表現力豊かな神田沙也加の歌声が紡ぐ壮大な世界観は、TRUSTRICKにとって今後の方向性を担う重要な一曲に違いない。

　神田沙也加は2002年、the brilliant greenのメンバーである奥田俊作が作曲した「ever since」でデビュー。day after tomorrowの北野正人からも楽曲提供を受けるなどして、堅実にリリースを重ねてきた。また、2011年からはロリータファッションに身を包み、独自のシンセポップ路線を歩んだSilent Lilyのボーカルとしても活躍。一方で、舞台女優、声優としても活動の幅を広げ、その歌唱力を磨いてきた。そして2014年『アナと雪の女王』でブレイク。長らく「松田聖子の娘」ということで、なかなか正統な評価を受けにくかったのが、ここにきて花開いたと見ることもできるだろう。そして心機一転、今回のユニット、TRUSTRICKの結成へと繋がったのだ。神田沙也加は終演後「やっと自信を持って、自分の音楽だと言えるものができたと思います」と、その心境を明かしている。これまでのキャリアを充分に消化し、ストレートなアーティスト路線での勝負となったTRUSTRICK。その良質な音楽性は、多くのリスナーにとって魅力的なものとなりそうだ。

　なお、夏には同日に発売されたアルバム『Eternity』発売を記念し、東京・大阪・名古屋・福岡でツアーを行うことも決定。詳細は後日発表の予定だ。
（取材・文＝リアルサウンド編集部／写真＝森 久 Hisashi Mori）

■リリース情報
『Eternity』
発売：６月25日
価格：初回盤（CD+DVD）￥3,200＋税
通常盤（CD）￥2,500＋税

【収録曲】
01.Ever Blue
02.If -君が行くセカイ-
03.ATLAS
04.wonder
05.TRICK or HOLIC
06.恋人
07.君が居る未来のために
08.kissing
09.Calico
10.Jealousy Jelly
11.as one
12.beautiful dreamer

【初回盤DVD】
1.If -君が行くセカイ-（Music Video）
2.ATLAS （Music Video）
3.beautiful dreamer （Music Video）
4.If -君が行くセカイ-（Making Clip）
5.ATLAS (Making Clip)

■イベント情報
TRUSTRICK 1stアルバム『Eternity』発売記念イベント

●2014/06/27(金)　18：00～
イオンレイクタウン kaze1F 光の広場(埼玉・越谷)
内容：ミニライブ＆握手会　※観覧フリー

●2014/06/28(土)　18：30～
千葉・舞浜イクスピアリ　2F セレブレーション・プラザ
内容：ミニライブ＆握手会　※観覧フリー

●Sunshine City × KONICA MINOLTA presents
TRUSTRICK 1stアルバム『Eternity』発売記念イベント

●2014/06/29(日)　17：00～
池袋サンシャインシティ　アルパB1F噴水広場
内容：ミニライブ＆握手会　※観覧フリー

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