ファーサイドからthe HIATUSまで……『テラスハウス』コンピCDの魅力は“多様性”にあり 

 また、インストラクターで元キックボクサーの宮城大樹が登場するシーンで使われている楽曲は、彼が現役時代に入場曲として使用していた、ザ・ブラック・アイド・ピーズの「Show Down」や、日本のロックバンドthe HIATUSの「Insomnia」など、彼のキャラクターである“ワイルドな男“を演出するものが多く見受けられる。

Weezer - Island In The Sun (Spike Jonze Version)

 こうして、過去の放送から楽曲に焦点を当てて振り返ってみると、ロック系の楽曲も多く使用されていることがわかってくる。全員で2期に使用されている新居を見に行ったシーンでは、タヒチ80の「Heartbeat」が、宮城大樹とデートに出かける前の今井華が、リビングで菅谷哲也と話をするシーンではウィーザーの「Island in the Sun」が使用されるなど、主に複数人での会話やイベントのシーンをロックバンドが彩っている。

 そして、同番組で印象的な場面としてファンから多く挙げられるのが“卒業・別れのシーン”だ。そこで使用される楽曲はザ・ラスト・グッドナイト「Pictures of You」やQ;indivi+SU「a world of difference」、テイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together (Piano Ballad Version) 」など、切ないながらもオシャレな楽曲が多用されており、感動的な演出をより際立たせる選曲センスの高さが伺える。

 現在は先述の島袋と菅谷哲也以外、がらりとその顔ぶれが変わっている同番組。今後、彼らのキャラクターに合わせてどのような楽曲が使用されるのか。視聴者は中高生層にも広がり、洋楽をより広く紹介するキュレーション的機能も期待できる同番組だけに、その選曲が楽しみだ。

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