フジロック出演決定のオノ・ヨーコ その音楽家としての功績を振り返る

 オノ・ヨーコはまた、ロック・フェスティバルや野外コンサートとの関わりも深い。1974年には当時、日本最大のロック・フェスティバル『ワンステップフェスティバル』に出演し、内田裕也らと共演を果たしている。

「ジョンとヨーコが初期に一緒に出たライブ「トロント・ロックンロール・リバイバル」もフェス形式のイベントで、その演奏は『Live Peace in Toronto1969』(邦題『平和の祈りをこめて』)というアルバムになっています。そう考えると、早くからフェスに参加していたアーティストといえるでしょう。ジョンとヨーコといえば『愛と平和』なので、『愛と平和』を掲げることの多いロック・フェスの雰囲気には似合っているかと。また、彼女自身が現代芸術家としてアイデンティティを確立した60年代は、偶発的な出来事をアートとして捉える思潮があり、『ハプニング』と呼ばれる即興性の高いパフォーマンス、イべントが流行しました。フェスの話でいうと、意外な人との共演もまたハプニングといえるし、そういった意味で、Plastic Ono Bandに驚くような大物アーティストが参加する可能性もあるかも。2009年にアルバム『BETWEEN MY HEAD AND THESKY』をリリースした際の日本ツアーには、細野晴臣が参加しましたからね」

 ロックンロールや野外フェスティバルの興隆とともに歩んできたオノ・ヨーコの出演は、FUJI ROCKにとっても、新たな歴史の一幕となりそうだ。
(文=松田広宣)

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