KANA-BOON、クリープハイプらが入賞 他の音楽賞とは異なるCDショップ大賞の「意義」とは

 iTunesやSpotifyに代表される音楽聴き放題ストリーミングサービスの登場によって、海外ではレコード店が次々と廃業に追い込まれている。日本でも状況は同様で、日本レコード商業組合に加盟するレコード店は1992年の約3200店をピークに現在では約700店舗と8割近くも減少している。この厳しい状況に危機感を抱いて設立されたのがCDショップ大賞だ。前述の行氏はかつて音楽サイト『MUSICMAN-NET』のインタビューでこう語っている。「売上が下がるということは自分たちの持っている力を発揮できないっていうこと。タワーレコードもほとんどの店舗がセントラルバイイングになって自分たちでイニシャルを入れられなくなりました。そこに店員の人たちの意志がほぼ反映されない。でも、バイヤーとしての仕事ができない人があまりにも多いからそうせざるをえないんです。CDショップに関して言えば上層部が悪いわけではなく、働いている人の意識の問題だと思います」。このような危機感から生まれたCDショップ大賞。「自分たちの意思を反映できる場」を作ることで、まず働いている人間の意識を変える。レコメンドできる能力を店員それぞれが身につけることでレコード店、しいては音楽業界全体を盛り上げていきたいーーそんな願いが込められているのが、CDショップ大賞なのだ。

 果たして今回の第6回CDショップ大賞にはどの作品が選ばれるか。今回の音楽賞がミュージシャンにとって新たなリスナーを獲得する場となり、シーンを切り開くきっかけになることを期待したい。
(文=北濱信哉)

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