AKB48『大組閣祭り』でどうなる? 大島卒業からチーム8発足までの流れを追う

 また、リクエストアワー初日に発表されたTOYOTAとのタッグを組み47都道府県で人材発掘が行われる、新チーム8という存在が今回の組閣との関係をよりややこしくさせている。新チーム8は劇場公演も行うものの、全国各地でもライブ活動をしていくとのこと。ただし、あくまでも新人のみで形成されるチーム。例え、ライブパフォーマンスの技術が高いメンバーを集め、完成度の高いチームを作り上げたとしても、AKB48らしいチームとしての“味”が生まれるにはそれなりの時間がかかる。AKB48らしさを持ち合わせていないチームが全国でAKB48として活動するということに、多少なりとも違和感を感じるファンも少なく無いだろう。

 そして、当コラムでは、AKB48グループの劇場回帰路線が現状の方向性であると唱えてきた。その根拠が昨年の8月の東京ドームで発表された各チームの新公演スケジュールである。昨年の10月のNMB48TeamNから始まり、今頃は4つ目の新公演としてAKB48TeamK公演がスタートしている……はずであった。だが、実際はTeamNの『ここにだって天使はいる』公演が11月にスタートしたのみ。過去の経験則からAKB48ファンであればスケジュール通りに進むはずが無いという達観はしていたが、ここまで進まないのは予想以上だったかもしれない。ただ、やはりAKB48のチームにとってオリジナル劇場公演というのは、チームカラーの投影先であり、チームとして作り上げる作品としての大きな結果である。そのオリジナル公演がTeamNを除いて無い現状は、劇場が原点のAKB48グループにとって、チームという概念を覆しかねない異常な事態ではある。

 『大組閣祭り』に向け、現状をひと通り整理してみたところで、見通しが何も見えてこないのが正直なところである。『大組閣祭り』の前々日である2月22日には公式ライバルである乃木坂46もデビュー2周年の節目としての横浜アリーナを迎える。そんなことを考えると、何が起こるのか全く予想も出来ない。Google+でのメンバーの投稿によるとプロデューサーの秋元康氏は「涙涙の組閣にはしない」「必ずプラスになる組閣にする」と伝えているという。この言葉が真実であるならば、今までの組閣とは違う、ただのサプライズではない組閣であるのかもしれない。何を考えても憶測の域を出ることがない今回のサプライズ。とりあえずは当日まで静観していることしか出来ないのかもしれない。ただ、リクエストアワーのステージ上、武藤十夢、大島涼花、高橋朱里ら次世代のAKB48を担うメンバーたちの現Teamへの愛から生まれた熱き思いの涙が報われる。そんな組閣であることだけを切に願っている。

■エドボル
放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

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