チラ見するのが正しい鑑賞法である――「アイドルとおっぱい」に関する一考察

 ここまで「おっぱい」「おっぱい」とたくさん書きましたが、ふと我に返ってみると「アイドルにはそれほどおっぱいは必要とされていないのではないか」という気がします。たとえば、3年連続でアッパーなサマー・ソングをリリースし、水着だらけのプロモーション・ビデオを公開しているSUPER☆GiRLS。どの映像も非常に爽快で可愛くて、もし私が男子高校生だったらスマホにダウンロードして授業中でも夢中で見ることでしょう。しかし、そんなSUPER☆GiRLSも「おっぱい」より「おしり」を強調していて、特に昨夏の「プリプリSUMMERキッス」の、ヒップをぷりぷりぷりぷりっと高速でシェイクする振付は象徴的だったといえます。おしりをぷりぷり振ることがこの楽曲のハイライトであり、タイトルにさえなっているのです。つまり、アイドル・ポップスの世界では「おっぱい」よりも「おしり」のほうがプライオリティが高いのでしょう。

 もはやアイドルとは呼びにくい存在ですが、Perfumeに「おっぱいの魅力」を求めているファンも稀有でしょう。Perfumeの人気にセクシャルな要因があるとすれば、それは脚です。「東京女子流にセクシーな振付がある」と話題になっても、それはおへそが見えたり見えなかったりするダンスで、決して彼女たちの膨らみかけの乳房に言及されることはありません。そんな話題は下劣で不埒で、下手すれば児童ポルノ規制に抵触するイリーガルな変態と思われかねません。

 つまり日本では、おしりや脚やおへそは「健康的なお色気」として認知されているものの、K-POPアイドルのようにおっぱいをぶるんぶるんと震わせるような振付は好まれないということでしょう。秘匿されたフェロモン、隠しきれない禁断の果実。アイドルのおっぱいは「見て見ないふり」をするのが正しく、それがおくゆかしい日本の作法ということではないでしょうか。

「日本一スカートの短いアイドル」を標榜していたスマイレージの最新映像をチェックしてみると、和田彩花がどうにも艶っぽくなっています。デビュー当時から変わらぬスラリとした長い脚に大人っぽい色香が加味され、心なしか胸の膨らみも豊かになったように見えます。気になる。あやちょのおっぱい、気になる。しかし、見て見ぬふりをしましょう。

 元祖巨乳アイドルとして80年代を席巻した河合奈保子の娘、kahoが11月27日に歌手としてデビューします。歴史的おっぱい遺伝子を受け継いだ彼女のバストサイズはいかほどのものでしょうか。これも気になる。河合奈保子の娘のおっぱい見たい。しかし、これも声高に騒ぐことなく、密やかにその成長を窃視するのがアイドル・ファンの由緒正しい視座といえるでしょう。

●プロフィール
山口真木(やまぐち・まき)
大阪出身の27才、OL。ポップスとロックと女の子をこよなく愛する。何かに毒づいてばかりの思春期まっただ中。「ニュース記事だと思って読んだらブログ以下だ」などといわれているこの連載ですが、今回は特にひどいです。ちなみに私自身はアンダー65のAカップです。文章だけじゃなく、おっぱいも貧相で、すみません。

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