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- 2013.10.22
だが、GEMもすべてが順風満帆だったわけではない。メンバーはGEMに辿り着くまで、ローカルアイドルなどとしてさまざまな経験を積んでいる。特にリーダーの金澤有希は、AKB48の10期研究生として、入山杏奈や市川美織らと共にデビューを夢見たものの、一度挫折を味わっている。地方出身者も多いGEMには、言葉の端々から思いの強さを感じることも出来る。生半可な気持ちではないのは、CheekyParadeと同様だ。
東京女子流、BiS、Dorothy Little Happyに加え、SKE48が移籍。さらにはアイドリング!!!の新グループであるアイドリング!!!NEOまで参入し、avexというレコード会社の枠の中だけでも、幾多のライバルが存在するiDOL Street。だが、AKB以降に作り上げられたパブリック・イメージとしての“アイドル像”を世間に向けて発信し続けているSUPER☆GiRLSを主軸に、先鋭的なCheeky Paradeと保守本流のGEMという、全く逆の個性を持った2組を加え、さらにストリート生システムやローカルアイドルの要素も内包したiDOL Streetというプロジェクトが、今後のアイドルシーンで重要なポジションを占める可能性は充分にあるだろう。なぜなら、iDOL Streetの構造は、現代のアイドルシーンの縮図であり、そこには自家発電的にアイドルたちが高め合う仕組みがあるからだ。
もし、いまのアイドルをどこから見ていいかわからない場合は、一度iDOLStreetをパッケージとして見てみるのもいいかもしれない。シーンの全体像を知る手がかりがあるはずだ。
■エドボル
放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。
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