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中森明菜の復活を後押しするか? 『ポスト』ノンフィクション連載がついに“核心”へ

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 もっとも、当時の現場マネージャーの証言によれば、感情の起伏が激しい明菜に、周囲のスタッフは振り回されることも多かったようだ。ある時、明菜は何が気に入らないのか、楽屋で化粧品をまとめてマネージャーに投げつけた。納得のいかないマネージャーも反撃し、つかみ合いのケンカになったというから、10代の明菜が激情型の少女であったのは確かなようだ。衣装へのこだわりも強く、デビュー間もない段階でスタイリストの用意した衣装を「イメージに合わない」として拒否したエピソードも残されている。6年にわたって付き添った当時のマネージャーは、「彼女なりのアイドル像みたいなものがあったのでしょう」と振り返りつつ、そうしたわがままこそ「明菜のセルフプロデュース能力だったのかもしれない」と話す。

 連載8回目では、“明菜が家族に金を使い込まれた”という噂の真相にも迫っている。語るのは、現在はタクシー運転手をしている3歳上の次兄だ。明菜はデビュー2年後、節税対策のために個人事務所「ミルキーハウス」を立ち上げ、実母を社長に、兄弟を役員に据えた。役員となった兄弟が勤めていた会社を辞めたことで、明菜は「私のギャラを使い込んでいる」と疑いを持つようになったようだ。しかし実際には、ミルキーハウスは彼女の資産管理のほかにカラオケ店も経営しており、そこでの収益を給料にあてていたのだという。

 ミルキーハウスは、実母のガンを患ったことをきっかけにカラオケ店を含めて営業をやめたが、明菜はその後“家族のため”として、銀行から1億円を借り入れてビルを建てている。賃貸マンションと店舗が同居するそのビルに、家族はそれぞれ自身の店を構えたが、うまくいかずに閉店。このときの明菜の心境を、安田氏は「明菜からすれば家族孝行のためにビルを建てたのに、肝心の家族はいったい何をやっているのか、という思いであったに違いない」と分析する。明菜に借り入れの負担がのしかかり、結局はローンの支払途中でビルを売却。家族の亀裂がより深まる結果に終わってしまった。

 明菜は現在、家族とほとんど連絡を取っていないという。そのことについて次兄は「僕らに迷惑がかからないよう、よけいな心配をさせないよう、不器用な彼女らしい家族孝行をしているとも考えられる」と話している。

 連載9回目では、転機となった近藤真彦との恋愛へと話が進む。2人は『ヤンヤン歌うスタジオ』(テレビ東京系)の収録などで仲を深め、やがて交際に発展した。元マネージャーによると、両者の事務所とも交際の事実を知りながら放任しており、明菜と近藤のマネージャー同士が協力し、マスコミにバレないようにデートをさせることもあったという。

 人気アイドル同士、いつ仲を引き裂かれてもおかしくはない状況だ。それでも2人が見守られていたのは、明菜と近藤の関係が“可愛らしい”ものであったことが理由のひとつのようだ。2人のデートは、母が経営するカラオケ店を訪ねて食事をしたり、中森の実家で家族を含めてトランプで遊んだりという、微笑ましいものだった。しかし、明菜は近藤と交際を深めるうちに、「小さな秘密を抱えたかのように、どこかよそよそしくなってきた」(レコード会社の担当ディレクター)。周囲と距離をつくるほどに、明菜は近藤に入れ込んでいったのだ。

 そして89年7月、明菜は近藤のマンションで自殺未遂を起こす――連載9回目は、衝撃の事件に触れたところで終わっている。同連載は今後、謎に包まれた事件の事実関係をどう明かし、どのような切り口で明菜の“孤独”に迫るのか。

 明菜に近い関係者が多く取材に応じていることから、明菜本人も一定の理解を示していると見られる本連載。仮に本人登場がなくても、明菜への注目度を高め、その復活を後押しすることになるのではないだろうか。
(文=編集部)

      

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