VR教育は隠れた成長市場? Oculus、VRを活用した教育プログラムを台湾、アメリカ、日本で実施 

VR教育市場は隠れた成長株?

 VRと聞けば、多くのヒトがVRゲームのことを連想するだろうが、VRコンテンツのなかには教育目的で開発されたものが多数あり、VRを活用した教育の有効性を示す事例も報告されている。こうした言わば「隠れた注目市場」であるVR教育市場に、Oculus RiftとOculus Goを販売するOculus社がついに本格参入する。 

日本ではVR遠隔授業を計画

 Oculusは28日、台湾、アメリカのシアトル、そして日本でVRヘッドセットを活用した教育プログラムを実施する「Oculus教育パイロットプログラム」の立ち上げを公式ブログで発表した。同プログラムではVRを活用した教育活動の実施だけではなく、VRを活用した教育活動に精通した教師とインストラクターの養成も行われる。

 台湾では台湾インターネット電子商取協会とOculusが協力して、すでに多数の公立図書館、美術館、博物館にOculus RiftとOculus Goが導入されている。今後は、一部の美術館がアートにおけるVRの可能性を示すために、VRモデリングアプリであるQuillやOculus Mediumの使用を検討している。

 アメリカのシアトルでは、2018-2019年度に多数の公立小中学校でVRクリエーションコースとVRラーニングコースが実施される。VRクリエーションコースにおいては、生徒たちが1年をかけて実際に教育用VRコンテンツを制作する。

 日本では、高校生を対象としてVRヘッドセットを活用した遠隔授業を実施する(トップ画像参照)。もっとも、現時点では実施場所や実施期日等の詳細は不明だ。

多様なVR教育コンテンツ

 以上の発表と同時に、OculusはおすすめのVR教育コンテンツを公式ブログで紹介した。紹介されたのは、以下のような3つのものである。

Breaking Boundaries in Science

 「Breaking Boundaries in Science(科学の境界を破る)」では、科学史上において画期的な発見・発明を行った3人の女性のラボをバーチャルに訪問することができる。訪問できるのは、ラジウムを発見したキュリー夫人やプログラミング言語COBOLを開発したグレース・ホッパ―海軍准将のラボである。

Breaking Boundaries in Science VR Trailer

Titanic VR

 「Titanic VR」では、タイタニック号沈没をバーチャル体験できる。沈没の現場を追体験できるほか、海底に沈んだタイタニック号を探索することもできる。

Titanic VR | Oculus Rift

Hoover Dam: IndustrialVR

 「Hoover Dam: IndustrialVR」では、アメリカの国定歴史建造物に指定されているフーバーダムの構造をインタラクティブな操作を通して学習できる。同VRコンテンツの開発には、フォートナイトにも使われているゲームエンジンUnreal Engineが活用されている。

Hoover Dam: IndustrialVR | Oculus Rift

 

 以上のVR教育コンテンツは、そのどれもが「実際に体験できる」というVRコンテンツの長所を生かしたものとなっている。

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