TVドラマで注目浴びる、脚本家のSNS展開 作り手と視聴者の密なつながりは何を生む?

 かつてはインターネットでテレビドラマの作り手が放送中に自作について語ったり、解説したりすることはオフィシャル・ホームページ以外ではほとんどなかったが、近年は、ドラマを盛り上げるために放送中にTwitter等で実況したり、裏話を語るケースが増えている。

 例えば、先日終了した『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)の脚本家・古沢良太は、各話終了後に裏話をnote(ノート)で語っており、全話終了後はnoteと電子書籍でシナリオも有料で販売している。

 『結婚できない男』(フジテレビ系)や連続テレビ小説(以下、朝ドラ)『梅ちゃん先生』(NHK)の脚本を担当した尾崎将也は自身のウェブサイトのBLOGで自作についての解説やドラマ作りの裏側について語っている。このBLOGに書かれたことは2016年に「3年でプロになれる脚本術」(河出書房新社)から発売された。

 古沢や尾崎のような作品の裏話をメイキング仕立てで語るアプローチは資料性が高く、筆者のような立場からすると、とてもありがたいことだ。

 この二人の場合はBLOGで詳細を語っているが、おそらく現在、多くの人々の注目が集まっている場所はTwitterだろう。

 中でもバランスのいい使い方をしていると感じるのが『アンナチュラル』(TBS系)の脚本で知られる野木亜紀子と、『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)の脚本で知られる徳尾浩司だろう。二人の場合は自作の解説も読み応えがあるが、何よりドラマが好きでTwitterでドラマ実況をしているドラマファンと同じ目線で楽しんでいるのが伝わっていくる。

 例えば野木は、前クールで『モンテ・クリスト泊』(フジテレビ系)のツイートを繰り返していたのが話題となったが、面白がるポイントがTwitterを楽しんでいるドラマ視聴者のツボと同じで、だからこそ、『アンナチュラル』で労働問題や女性差別の問題を扱ってもピントがずれていなかったのだろう。


 一方、徳尾浩司の場合は、『おっさんずラブ』の脚本の台詞などに言及しているが、何より徳尾自身が番組を好きで、本人自身がファンだということがとても伝わってくる。

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