あなたはマリオが進歩して、ついには“巨大な肉”にすらなることをご存知ですか? 『スーパーマリオ オデッセイ』

『スーパーマリオ オデッセイ』レビュー

 「マリオのゲーム」と聞いて思い浮かべるものはなんだろうか? 懐かしいファミリーコンピュータのマリオ、立体的な世界となったキノコ王国を自由に移動するマリオ、カートでレースするマリオ、テニスやゴルフをするマリオ……。そう、一口に「マリオのゲーム」といってもその内容はさまざまなのである。

 もし「マリオのゲーム」の大雑把にふたつに分けるとしたのならば、それは「2Dのマリオ」と「3Dのマリオ」となるだろう。つまり『スーパーマリオブラザーズ』のような昔ながらの平面のマリオと、『スーパーマリオ64』から始まり最近では『スーパーマリオ オデッセイ』として発売されたような立体的なマリオとなるわけだ。

 ゲームを遊ばない人からすれば2Dと3Dの違いなんてよくわからないものだが、これがけっこう違うのである。かくいう私も昔ながらのマリオで育った世代なので、「3Dのマリオ」はあまり好みではなかった。そもそも奥行きがあるので情報量が多く、平面のマリオと比べれば距離感もだいぶ掴みにくい。もちろんそちらのほうが豊かな表現もできるわけだが、シンプルなほうで親しんだ世代としてはどうしても奥行きという概念に抵抗があった。

 とはいえ、ゲームを作っている任天堂もただその「3Dのマリオ」の複雑さを諦めていたわけではない。2Dと3Dのいいとこ取りといえるような作品を制作したこともあったし、奥行きがあってもわかりやすく遊べるようにする努力は怠っていなかった。2017年10月27日に発売されたNintendo Switch用ソフト『スーパーマリオ オデッセイ』は特に、その努力が実を結んだ一作と言えるだろう。

 『スーパーマリオ オデッセイ』のストーリーは至極シンプル。ピーチ姫がクッパにさらわれてしまったので、マリオは各地を旅しながらヤツを追いかけるのだ。「まだそんなことをやっているのか」と思うことなかれ、本作はタイトルに“オデッセイ”とあるように、本当にたくさんの国を旅するかのような体験が待っているのだ。

 暑い砂漠の国のはずなのに氷がたくさん生えているアッチーニャ、マリオの知り合いが市長を務めているニュードンク・シティ、ポップな色合いの食材がたくさん並んでいて楽しいボルボーノ、ピーチ姫のことなんて忘れてしまいそうなほどバカンスに向いた海の国シュワシュワーナ……。どの景色も美しいので、本当に観光しに行く気分で遊んでも喜べるだろう。

 ましてや本作はスナップショット機能があるのだ。ステキな景色を見つけたら、マリオがおもしろい感じになったら、あるいは単純になんとなくでもいい。ボタンを押せばすぐにその場面を一時停止し画像として保存することができる。旅にはカメラが欠かせないことからわかるように、この機能はマリオの旅をより楽しいものにしてくれることだろう。

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