値上げ直前! あらゆる作業を自動化するゲーム『Factorio』をオススメしたい

『Factorio』レビュー

難しいからこその「ニンマリ」がそこにある

 ただ、このゲームは相当難しいゲームだ。例えば、以下の画像は筆者が作った、とある薬品を製造するための工場だ。

 「部品Aと部品Bを組み合わせて部品ABを作る」「部品Aと部品Cを組み合わせて部品ACを作る」「部品ABと部品ACと部品Aを組み合わせて…」みたいな形で多重に入り組んだ製造施設が繋げられているのだが、良く見ても何がなんだかよく分からないだろう。ご安心を。筆者もまったく分かっていない。

 いわゆる「スパゲッティコード」というやつだ。先のことを考えず行き当たりばったりで施設を建てていき、追加の機能が必要になったらその場その場で一番楽な方法で増築していく。それを繰り返した結果、「とりあえず動いてはいるが…」という状態になっているのだ。本当ならばより生産力を高めるために拡張をしていきたいのだが、施設を置く隙間などないし、第一もう構造がどうなってるか分かっていないので手を付けたくもない。

 実際の仕事でも思い当たる節が色々あり、これを作りながらちょっとだけ辛い気持ちになった筆者だが、次のステージで同じ工場作りをリベンジできる機会があった。

 「こんどこそ」と思い、ちゃんと先を見据えて事前に紙で下書きをしつつ、拡張のことも考えながら作ったのが以下の工場だ。

 「縦に並んでいるものは全て同じ作業をするもの」というルールで整列させてみた。空きを作っているので生産速度が弱いパートがあったらちゃんと増築できるようになっている。複数のパートで使う部品は搬送ベルトの分配器を活用して源流を1箇所にまとめた。電線も綺麗に張り直し無駄なく電力行き渡るように作ることができた。

 これを完成させたとき、筆者はこの工場が休みなく動き続ける様をうっとりしながら眺め続けていた。整然と並び、効率良く仕事をし続ける工場。それはまさに「機能美」という名の芸術といえるだろう。作り方が一切定められておらず自由に作れるからこその難しさがある一方で、自由に作れるからこそ生まれる喜びもあるのだ。

 他にも、線路と電車を製造して遠距離間の輸送を行ったり、自律型ロボを製造して建設を自動化する要素などもあり、遊び尽くせないほどの要素がてんこ盛りの一作だ。価格改定は2018年の4月16日に行われるとのことだ。もし興味を持たれたならば、早めの購入をオススメしたい。

■『Factorio』詳細情報
・対応プラットフォーム:Win / Mac
・価格:2,300円(税込)※記事公開時点の価格
・Steamストアページ: http://store.steampowered.com/app/427520/Factorio/?l=japanese

■ニカイドウレンジ
Twitterでゲームの事を語っていたらいつの間にかゲームライターになっていた人。趣味でゲームの研究をしており、それが高じて専門学校でゲーム作りを教えたり、自身でもゲームを製作したりしている。
Twitter:@R_Nikaido

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