作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『シャザム!~神々の怒り~』がうったえるヒーロー作品の本質 一方で体制変更の影響も?
映画『シャザム!』が、およそ4年ぶりに続編として、スクリーンに帰ってきた。単純なほどにストレートな物語だが、見た目は大人なのに子…
ヘレン・ミレンが一番キュート!? 『シャザム!~ 神々の怒り~』続編として堅実な仕上がりに
絶賛正念場! DCEU! というワケで、DC映画最新作『シャザム!~ 神々の怒り~』(2023年)である。 魔術師に勇者…
トム・ハンクスがベテラン俳優の妙味を醸し出す 『オットーという男』が描く“生きる意味”
いつでも新たな企画を探しているアメリカ映画界が、海外の優れた作品をリメイクするケースは少なくない。近年は、フランス映画『エール!…
『フェイブルマンズ』が示す“芸術の真実” スピルバーグの“奇妙な傑作”を読み解く
SF、アクション、サスペンス……エンターテインメント大作から歴史劇、社会派作品まで、多くの観客を魅了し、映画界を牽引してきた、生…
古沢良太脚本の持ち味が全開 『映画ドラえもん』で“騙し騙される”を描いた意義
現在公開中の『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』は、『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)やNHK大河ドラマ『どうす…
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』最高のコメディ映画として大成功 クリーチャーの造形も秀逸
アメコミ原作のスーパーヒーロー映画がすっかりメインストリームとなり、続く勢力としてTVゲーム原作の大型企画が次々に進行している現…
中国映画界の新たなる才能 チウ・ション監督作『郊外の鳥たち』に込められたメッセージ
ビー・ガン監督(『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』)や、バイ・シュエ監督(『THE CROSSING~香港と大陸をまた…
“カンフー映画”の奇跡を起こした『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
明らかにアナルプラグの形をしたトロフィーを尻に挿入してカンフーする映画があったとして、それがアカデミー賞作品賞を獲るなんてことは…
『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』に内包されていたシビアで恐ろしいメッセージ
タイトルの「のび太〜」の後に「と」が来るのは、2012年の『映画ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』以来…
『エンパイア・オブ・ライト』が描く心の拠りどころ オリヴィア・コールマンによる説得力
娯楽、アートフィルムの両方で、不動の地位を確立している、イギリス出身のサム・メンデス監督。彼の注目の新作は、1980年代初頭のイ…
こんなスピルバーグ観たことない! 『フェイブルマンズ』が描く恐るべき映画の真理
全然関係ない話から始めさせてもらうが、マイク・ホッジスというイギリスの映画監督がいる。彼はTV業界で活躍したあと、マイケル・ケイ…
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が超絶技巧で描く普遍的なテーマ
気が狂いそう~(ラーラーラー)♪ やさしい歌が好きで~♪ ああ あなたにも聞かせたい~♪ ……力強く背中を押してくれる系の映画を…
『ボーンズ アンド オール』突出した映像美とともに描き出す、孤独な若者たちの人生の季節
『ミラノ、愛に生きる』(2009年)、『君の名前で僕を呼んで』(2017年)、『サスペリア』(2018年)など、類まれなセンスに…
『BLUE GIANT』がアニメーション映画化された意義 ジャズの演奏シーンに込められたもの
音楽、青春を描いたアニメーション映画として、ひとつ次元の異なる作品が完成したという印象だ。石塚真一の漫画を原作に、“音”と“動き…
『BLUE GIANT』が掲げる“自分への勝利” 玉田が掴み取った自信と美しい景色
「音楽やりたいって気持ちにノーって言うのか?」 主人公・宮本大が放つこの台詞に、ハッとさせられたのは私だけではないだろう。新…
『鬼滅の刃』LiSAとAimerが紡いできた“叫び” 「刀鍛冶の里編」主題歌は命の重さが宿る
大正時代を舞台に、人喰い鬼を討伐する剣士たちの活躍を描いた吾峠呼世晴原作のアニメ『鬼滅の刃』の最新シリーズがこの春始動する。それ…
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が暗示する、フェーズ5以降のMCUの展開
ヒーロー映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」が、製作しているマーベル・スタジオが称するところの“フェー…
『逆転のトライアングル』は音楽にも皮肉がたっぷり 独特な選曲に込められた意図とは?
突然、雪崩が起こった時、父親が家族をおいて逃げ出したことが波紋を呼ぶ『フレンチアルプスで起きたこと』(2014年)。「思いやり」…
『THE FIRST SLAM DUNK』は濃密な“試合観戦”だ 原作未読だからこそ体験できた熱狂
「三井がスタメンなのに体力全然なかったのってさ、最近まで不良であんまりバスケやってなかったからなんだよ」 シアターから退場し…
正念場のMCU 『アントマン&ワスプ:クアントマニア』MVPはピムとジャネットの老夫婦
絶賛正念場! MCU! というワケで、マーベル映画の最新作『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023年)である。 …
『テルマエ・ロマエⅡ』阿部寛と一緒に銭湯の凄さを再発見 独特な“音”の演出に癒される
2月18日、『土曜プレミアム』(フジテレビ系)にて、2014年に公開された阿部寛主演映画『テルマエ・ロマエⅡ』が放送される。空前…
『バビロン』で露呈したデイミアン・チャゼル監督の欠点 “ハリウッド”のおそろしい魔力
『ラ・ラ・ランド』(2016年)で、映画界を含めたロサンゼルスのショービズ界の光と影を、ファンタジックに描いたデイミアン・チャゼ…
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は壮大なファミリードラマ 見せ場だらけの125分
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が、2月17日に公開されました。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ5…
『女神の継承』はなぜ一大ブームを巻き起こした? ホラー好きの心をくすぐる練られた設定
2022年の映画界の話題をさらったトピックはいくつもあるが、そのひとつに「アジアンホラーのヒット」が挙げられる。もちろんこれまで…
『イニシェリン島の精霊』が“難解な映画”である背景 ブラックコメディが持つ意義を考える
映画『イニシェリン島の精霊』が1月27日に公開された。予告編を観れば、2人の男の友情が決裂し、そこから観客である私たちが納得でき…
アメリカはなぜ評価しない? 『その道の向こうに』ジェニファー・ローレンスの芝居の真価
ライラ・ノイゲバウアーの素晴らしい長編映画監督デビュー作『その道の向こうに』のジェニファー・ローレンスには、かつて彼女の名を一躍…
『鬼滅の刃』の魅力が最大限に発揮されたワールドツアー上映 映画館にしかない“陽と陰”
映画館の魅力とは何か。『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』はそれを再確認するのに適した作品だった。 …
『トムとジェリー』実写と2Dの“楽しい融合” 理想的なCG表現となった要因とは?
「トムとジェリー なかよくケンカしな」というフレーズは、TVアニメシリーズ『トムとジェリー』の初代日本語版オープニングソングのも…
『鬼滅の刃』ワールドツアー上映は“無限城”が見どころに 「刀鍛冶の里編」に感じた可能性
これまでの映画業界、アニメーション業界の常識を超える、興行的な快挙を成し遂げた『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。日本映画の歴代興…
『イニシェリン島の精霊』に込められた、世界を救う一抹の希望 真の“アイルランド魂”とは
衝撃的な人間ドラマが展開する映画『スリー・ビルボード』(2017年)で、監督、脚本家として絶大な評価を受けることになった、マーテ…
『どうする家康』とはリンクせず? 木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』の“新しさ”
NHK大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合)の序盤において、主人公・家康(現時点では松平信康)に「良くも悪くも多大な影響を与え…
『THE FIRST SLAM DUNK』の偉業は語り継がれ続ける 井上雄彦が監督・脚本を務めた意義
全国の映画館で大ヒット上映中の映画『THE FIRST SLAM DUNK』の興行収入が、89億円を突破したことが1月23日に報…
『灰原哀物語』は安室透の魅力もギュッと詰まった一作 コナンフリークが楽しめる演出も?
2022年に劇場公開された『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』がシリーズ最高の97.8億円を記録し、国民的ミステリー作品として不動…