作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
前作以上の困難に挑んだ『毒戦 BELIEVER 2』 敢闘賞は“メガネ姿のヤクザ”ハン・ヒョジュ
「その意気やよし!」という企画がある。困難な戦いに果敢に挑む人は応援したくなるものだ。中島みゆきの「ファイト!」理論である。とは…
『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』を名作映画と並べて解説 初心者も必見の“現代性”
士郎正宗が1989年に発表した漫画『攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL』を押井守監督がアニメーション映画化…
『ザ・キラー』ジャンル映画と社会批評を同居させるデヴィッド・フィンチャーのニヒリズム
デヴィッド・フィンチャーはシリアルキラーに魅せられているのか? おそらく、イエス。12本の長編映画と3本のテレビシリーズからなる…
『リアリティ』の題材となった実際の事件を解説 恐ろしく“リアリティ”のあるスリラー映画
リアリティ・ウィナー。珍しい響きに聞こえるが、アメリカに住む、ごく平凡な一人の女性の名前である。彼女はペットの犬や猫をかわいがっ…
『マーベルズ』キャラクターを愛せるコメディ映画としての成功 映画作りとしての課題も
「喪失とその先を考える」がテーマのように感じられたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4について、以前こちら…
アネット・ベニング×ジョディ・フォスターの名共演 『ナイアド』に得る“生き方”のヒント
ダイアナ・ナイアドは自身の名字“Nyad”のルーツについて何度も得意げに話す。ギリシャ神話に登場する“水の精霊”。名は体を表すと…
『ガルパン』は新作のたびに発見しかない! 『最終章』へ引き継がれた”侮られた者の逆襲”
映画『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話が上映中だ。OVA形式であり、前作から2年近く上映までの期間が空いたが、それだけの制作…
デヴィッド・フィンチャー監督『ザ・キラー』を徹底考察 ラストシーンは何を意味する?
「殺し屋」を職業にしている人物は、娯楽映画において数限りなく登場してきた。おそらくは多かれ少なかれ実際に存在していて、たぶんどこ…
ポン・ジュノの才能の原点に迫る 『ノランムン』が映す映画を愛する若者たちの青春時代
いまや世界から大きな注目を集めるようになっている韓国映画。そんなブームの波の中心で存在感を放っているのは、言わずと知れたポン・ジ…
『北極百貨店』の“心地よさ”はどのように作られた? 目を奪われてしまう演出を徹底解説
「動き」そのものの面白さ。映画は動きを伝えるメディアなので、これは最も重要なはずである。動きの面白さを伝えることは難しい。動きは…
『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』から考えるシリーズの展望
10月27日に『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』が公開された。2000年前後に玩具やゲームとして人気を博…
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』マーティン・スコセッシの試みにリスペクトの拍手
映画にしろ、小説にしろ、サイコパスによる血なま臭い凶悪事件はたいていの場合、近代の大都市の片隅でおこなわれる傾向がある。歪みきっ…
『ゴジラ-1.0』徹底考察 第1作『ゴジラ』や『シン・ゴジラ』、山崎貴の作家性から紐解く
時代を超える傑作である第1作(1954年)以来、半世紀を超える映画シリーズとして絶大な人気を誇る『ゴジラ』。近年日本のシリーズで…
元携帯販売員が語る、『北極百貨店のコンシェルジュさん』が“働く20代女性”に刺さる理由
「何かお手伝いすることはございますか?」 これは、いつかの自分の物語だ。否、私だけではない。この作品は「いつかの私たちの物語…
『ザ・クリエイター/創造者』が驚きに満ちた一作となった理由 製作背景などから考察
『ザ・クリエイター/創造者』は、VFXが多用されたSF映画として娯楽的な要素に満ちた内容でありながら、同時にこれまでの同種の作品…
マーティン・スコセッシの圧倒的な一作 『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』徹底考察
マーティン・スコセッシ監督の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は、とんでもない作品だ。「こういう傑作と出会うために映画を観続…
『ONE PIECE FILM RED』を“ウタLIVE”上映で味わう Adoを起用した革新性を再評価
2022年8月に公開され、空前の大ヒットを記録した『ONE PIECE FILM RED』が10月20日から1カ月限定でアンコー…
『ガルパン 最終章』最高峰に到達したアクション作画 第4話は戦車道を通じた成長譚に
ミリタリー映画を観に行ったらアクション映画を観せられた。アニメ『ガールズ&パンツァー 最終章』第4話の上映が始まって、劇場に足を…
『死霊館のシスター 呪いの秘密』は主客転倒した作品? シリーズの中での位置づけを考察
実在したアメリカの心霊研究家、エド&ロレイン・ウォーレン夫妻の物語を、「ホラーマスター」と呼ばれるジェームズ・ワン監督が先鋭的な…
『死霊館のシスター 呪いの秘密』は信頼された作り手による“改革” 成功の背景を探る
『死霊館』ユニバースも、気がつけば10年の歴史を築いていた。アメリカのアミティヴィルに佇む「悪魔の棲む家」から始まり、イギリスの…
『バレリーナ』がこだわった映像表現 画面の美的な完成度によって獲得した優雅さ
近年、とくに世界が韓国映画、ドラマに期待しているものといえば、恋愛よりもバイオレンス表現なのではないか。エクストリームな内容はイ…
『プリキュアオールスターズF』に凝縮されたシリーズの魅力 入門編としても最適な一作に
『映画プリキュアオールスターズF』が9月15日に公開され、大ヒットを記録している。5年ぶりのオールスター映画ということもあり、注…
映画『ゆとりですがなにか』岡田将生×松坂桃李×柳楽優弥の変わらない“寛容さ”に涙
10月13日に公開された『ゆとりですがなにか インターナショナル』は、2016年に日本テレビ系列で放送されたドラマを映画化したも…
劇場版『ONE PIECE』が問い続ける“正義”のあり方 ゼットの圧倒的な強さに魅了される
正義を遂行すれば犠牲が出る。それでも正義を貫くべきなのか。妥協しながら少しの正義を行い続けるべきなのか。そんな難しい立場に追い込…
“都市の映画”の側面も 世界中の社内恋愛カップルを凍りつかせる『Fair Play/フェアプレー』
今年も“Netflixの秋”がやってきた。毎年秋から年末にかけて北米はアカデミー賞狙いの映画が次々と公開される賞レースシーズン。…
『極限境界線』は“自己責任”の社会に警鐘を鳴らす 『愛の不時着』ヒョンビンの新境地も
2004年、外務省による渡航自粛勧告のさなかにイラクへ入国した3人の日本人が武装勢力により拉致され、自衛隊の撤退などを交換条件に…