作品評の記事一覧
公開中の話題作を中心に、幅広い作品を映画評論家・ライターが徹底レビュー。
『バービー』は娯楽大作かつ現代を代表する圧倒的な映画に 作品に込められた強度と信念
映画『バービー』と『Oppenheimer(原題)』を同日に観るというネットミーム「バーベンハイマー」がアメリカで流行し、本国の…
『トランスフォーマー/ビースト覚醒』は事実上の1作目? マイケル・ベイへの愛と脱却
何かと車にまつわる悲惨なニュースが多い今日この頃だが、何の奇跡か、そんな日本の世相にピッタリの素晴らしい映画が入ってきた。『トラ…
『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の驚くべき挑戦 描かれたブルックリンのリアル
スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮として参加、マイケル・ベイ監督が10年の間に5作もの作品を送り出し、さらにスピンオフも製作…
SF風陰謀コメディ 『ゼイ・クローン・タイローン』が描く、アメリカにおける現実的な脅威
『クリード 炎の宿敵』(2018年)の脚本を担当したユエル・テイラーが初監督し、ジョン・ボイエガ、ジェイミー・フォックス、テヨナ…
『キングダム 運命の炎』吉沢亮&大沢たかおのカリスマ性を堪能! 再現度の高さに大興奮
一日千秋の思いで待ち望んだ、シリーズ3作目『キングダム 運命の炎』が絶賛上映中だ。なにしろ2作目の『キングダム2 遥かなる大地へ…
『ファインディング・ニモ』に眠る監督の創作論 魅力的なキャラクターに共通する“背骨”
フジテレビ系『土曜プレミアム』にて、映画『ファインディング・ニモ』が8月5日に放送される。ピクサーが誇る人気映画である本作は、ニ…
最高にロマンチックで感動! ピクサー新作『マイ・エレメント』は大人にこそ刺さる
「現代における恋の始め方」を教えてくれる。8月4日公開のディズニー&ピクサー最新作『マイ・エレメント』は、ティーンや大人にこそ刺…
『カールじいさんの空飛ぶ家』魅力的な4人のキャラクターを解説 切なく胸に迫る冒頭10分
2009年に公開されたピクサー・アニメーション・スタジオ作品『カールじいさんの空飛ぶ家』は、同スタジオの長編10作目にして、高い…
パク・ソジュン×IU初共演 再起する人間たちの物語『ドリーム ~狙え、人生逆転ゴール!~』
『梨泰院クラス』に主演して世界的な人気を獲得し、MCU作品『マーベルズ』にも出演するパク・ソジュン。国民的シンガーとして知られ、…
『ジェーンとシャルロット』は“母”という存在を問いかける 映し出される母娘の複雑な感情
7月16日に惜しまれながらこの世を去ったフランスを代表する女優/シンガーのジェーン・バーキン。葬儀の挨拶で娘のシャルロット・ゲン…
『キングダム 運命の炎』は“時代”を映し出す“現在の映画”に 今後のシリーズの行方は?
紀元前の中国で、無数の国が鎬を削って領土を奪い合った、群雄割拠の春秋戦国時代。その末期の戦いが描かれる同名漫画を原作にした、日本…
『バード・ボックス:バルセロナ』は新たに何を描いたのか スピンオフ作品としての意義
Netflixオリジナル映画として、2018年の配信当時ぶっちぎりの視聴数を獲得し、いまでもNetflix歴代オリジナル映画視聴…
『君たちはどう生きるか』は究極の“私映画” 子どもたちに問う“イマジネーション”の大切さ
宮﨑駿監督の新作が『君たちはどう生きるか』というタイトルになったことで、「これはきっと最大火力の“お説教”を食らう映画に違いない…
“トム・クルーズ映画”の快作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
トム・クルーズ、61歳。還暦男が走る! 電車のうえで戦う! 崖からバイクで飛ぶ! 何の話かと言えば、もちろん『ミッション:インポ…
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』徹底考察 第1作との深い関係
トム・クルーズが製作、主演を務め、TVドラマ『スパイ大作戦』を映画化した大ヒットシリーズ『ミッション:インポッシブル』。その7作…
『君たちはどう生きるか』タイトルに繋がる3つの要素 残酷な世界で生きていくということ
「君たちはどう生きるか」。この問い以上に、現代(いま)を生きる人々へ贈るべき言葉はないだろう。そして、日本のアニメーション映画史…
『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』の“悪夢”こそ映画の存続価値か? 現代への凄惨な耳打ち
64マスの市松模様で区切られた四辺形。この小さな平面上で起こる事柄が、あたかも激動の近現代史そのものを映しているかのようである。…
『君たちはどう生きるか』で叩き割られた“宮﨑駿の石” 悪意に背を向けず生き抜くために
宮﨑駿による10年ぶりのスタジオジブリ新作映画『君たちはどう生きるか』が公開中。公開4日間で興行収入は21.4億円を突破し、映画…
『君たちはどう生きるか』を徹底考察 われわれ観客に対する宮﨑駿監督の“問いかけ”
日本のアニメ界、映画界を長年にわたって代表し、イマジネーションに溢れた作品が世界から注目を浴びてきた宮﨑駿監督(先頃宮崎から宮﨑…
『君たちはどう生きるか』と2010年以降のジブリ作品の関係 共通する“家族の肖像”と“死”
2010年代以降のジブリアニメとの関係 スタジオジブリの宮﨑駿監督の10年ぶりとなる新作長編『君たちはどう生きるか』が、7月…
『君たちはどう生きるか』は宮﨑駿の“自問自答エンターテインメント” 滲み出る静かな決意
正直なところ、『君たちはどう生きるか』(2023年)は、説教をされるつもりで観に行った。基本的に説教されるのは嫌いだが、日本を代…
『君たちはどう生きるか』の超越した世界を観て 宮﨑駿が“ファンタジー”に回帰した喜び
7月14日、宮﨑駿監督のアニメ映画『君たちはどう生きるか』が公開された。 筆者は地元のシネコンの初回上映を鑑賞したのだが…
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が「面白かった!」からこそ気になったこと
面白かった!……本当はそんなシンプルな感想だけ述べたいところだが、口を衝いて出るのは細かい文句と後出しの注文ばかり。それは人気シ…
『君たちはどう生きるか』に散りばめられたジブリ作品の記憶 宮﨑駿の底力を見た
※本稿は『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが「情報が溢れている時代だから…
『君たちはどう生きるか』には宮﨑駿の“ジブリでの全て”が詰まっている【ネタバレあり】
※本稿は『君たちはどう生きるか』のネタバレを含みます。 宮﨑駿監督の10年ぶりとなる長編アニメーション『君たちはどう生きるか…
劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』が到達した、“暴力の連鎖”という深刻なテーマ
劇場版『美少女戦士セーラームーンCosmos』前後編の2作が公開され、2014年からのTV、配信アニメシリーズ『美少女戦士セーラ…
『ニモーナ』が稀有な成功作となった理由 作品に投影された“切実さ”と突出した“文学性”
CGアニメーションを中心に、大作映画を次々に送り出しているアメリカの大手アニメーションスタジオ群。これまでその一角を担っていたの…
『東京リベンジャーズ2』は儚くも美しい闘争記 後編の感涙必至な“蹴り”を武道家が解説
刹那的な儚さを、“美しい”と感じてしまうのは、危険なことだ。 現在公開中の映画、『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -…
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』なぜ評価が割れた? 『SW』シリーズとの共通項
映画ファンのみならず、より幅広い層にも長年愛され続けてきた、スティーヴン・スピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ』シリーズ。第…
森田剛が放つ“光”と“影”に圧倒される 『DEATH DAYS』はオーディオコメンタリーも必聴
森田剛主演の映画『DEATH DAYS/生まれゆく日々』のBlu-ray&DVDが、7月5日に発売される。この作品は、2021年…
『タイラー・レイク -命の奪還-2』がアクションとともに描いた、“家族の在り方”のテーマ
『マイティ・ソー』シリーズでおなじみのクリス・ヘムズワースが、銃撃、格闘、カーチェイスなど、長尺で持続し続けるハードなアクション…
『忌怪島/きかいじま』に感じた新たなホラーの可能性 恐怖要素“リミナルスペース”の機能
『呪怨』シリーズ、ハリウッド版『THE JUON/呪怨』シリーズなどで世界を震撼させ、『リング』シリーズの中田秀夫とともに「Jホ…
『タイタニック』に投影された世紀末の空気 “世界の終わり”は『エヴァ』との共通点も
フジテレビ系『土曜プレミアム』で映画『タイタニック』が、6月24日、7月1日の2週に渡って放送されている。 ジェームズ・キャ…
若さを描く『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』 動きまくるアニメの快感
ニューヨークのブルックリンでスパイダーマンをやっている少年マイルス・モラレスは、学校にヒーロー活動に大忙しだった。ヒーローとして…
『タイタニック』恋愛映画として色褪せない魅力 ジャックとローズのロマンスを振り返る
6月24日のフジテレビ系『土曜プレミアム』で、『タイタニック』が放送される。1997年公開の本作は、ジェームズ・キャメロンが監督…
野球ファンは今すぐ劇場へ 『憧れを超えた侍たち』に刻まれた漫画を超えたエンディング
2023年3月、日本を熱狂の渦に包んだ、ワールドベースボールクラシック(以下WBC)。劇場公開中の『憧れを超えた侍たち 世界一へ…