『シン・エヴァ』、緊急事態宣言下ながら興収100億円超え確実のロケットスタート

 先週末の動員ランキングは『花束みたいな恋をした』が土日2日間で動員11万4000人、興収1億5600万円をあげて、これで6週連続の1位に。累計では動員196万人、興収26億円を突破。ここまでも異常な前週比の高さで推移してきているが、驚くのは週明け月曜日の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』公開以降もそこまで前週比が落ちていないこと。現時点で興収30億円は確実な情勢だが、そこからまだまだ伸びる見込みだ。

 期待外れな成績に終わったのが、初登場3位の『太陽は動かない』だ。土日2日間の動員は7万9000人、興収は1億900万円。2006年の『デスノート』に始まる配給ワーナー&主演藤原竜也のタッグは、2017年の『22年目の告白 ―私が殺人犯です―』(最終興収24.1億円)まで継続的に数々のヒット作を生み出してきたが、本作の週末初動成績は、最終興収12.4億円に終わった2019年の『Diner ダイナー』の約42%。当初の公開予定日2020年5月15日から、コロナウイルスの感染拡大を受けて約10カ月遅れての公開となったことも少なからず影響しているのだろう。

 一方、3月8日、超異例の月曜日公開となった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、予想通り2度に及ぶ公開延期もものともしないすさまじいロケットスタートを切った。初日の動員は53万9623人、興収は8億277万4200を記録。既に各メディアではもう9年前となる前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(最終興収53億円)の初日興収比123.8%という数字をもって「大ヒット」と報じられているが、9年前はまだ多くの日本映画の公開日が土曜日だった時代。今回は休み前の金曜日でさえなく月曜日。しかも、未だ緊急事態宣言下にある1都3県では夜20時までに最終上映を終わらせないといけない悪条件を跳ねのけての初日興収8億円超えだ。

 昨年の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の異次元興行以降、どんな数字を見ても麻痺してしまった人も多いかもしれないが、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の初日興収は、2017年の『君の名は。』(最終興収250.3億円)の初日興収の約231%、2019年の『天気の子』(最終興収141.9億円)の初日興収の約175%という数字だ。繰り返すが、それを首都圏では上映時間の制限のある月曜日で成し遂げたのだ。

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