『なつぞら』広瀬すず、清原果耶、大原櫻子ら表情で語る名演 次週はなつの恋路にも注目?

広瀬すず、清原果耶、大原櫻子の名演

 『なつぞら』(NHK総合)が、第14週「なつよ、十勝さ戻って来い」でちょうど折り返しに入った。

 これまで、『なつぞら』は節目、節目で放送日にこだわりを感じさせていた。例えば、なつ(広瀬すず)が初めて東洋動画を訪ね、仲(井浦新)や下山(川島明)に出会いアニメーターとしての才能を見出される第6週「なつよ、雪原に愛を叫べ」第31回の放送日、5月6日はなつのモデルと思われる奥山玲子の命日であること。なつが新宿へと上京してきた第8週「なつよ、東京には気をつけろ」では、かつてのムーランルージュで一世を風靡したダンサーとしての亜矢美(山口智子)と子供時代の咲太郎(渡邉蒼)がタップダンスで心を通わすシーンが描かれる第48回の放送日、5月25日は「タップダンスの日」である。

 そんな『なつぞら』において、折り返しの第79回で登場するのが、生き別れになっていたなつの妹・千遥(清原果耶)。事前告知なし、放送を持ってキャストを発表というのは、視聴者に先入観を与えたくないという演じる清原果耶の強いこだわりからだと言うが、放送日にも制作陣の作品への愛が感じられる(参照:清原果耶が明かす、『なつぞら』に千遥が登場するまでの裏側 「自分ができる最善を尽くそうと」)。

 柴田家の人々との対面、なつ、咲太郎(岡田将生)との電話、食卓を囲み酪農を経験する千遥。戸惑い、恐れ、喜び……といった清原による繊細な表情の機微が、後に明かされる千遥の本心へと繋がっていく。千遥はなつに別れを言いに来ていた。養女として暮らし、結婚する相手の家の人には戦災孤児であったことを知られたくないという理由から、もう2度と兄妹が会うことはできないと決断したのだ。千遥からの手紙に書かれた「一生会うことはもうありません。会えません」の文字を声を震わせ柴田家の家族に伝えるなつ。あまりにも寂しい選択ではあるが、これでなつ、咲太郎、千遥、3人それぞれが別の家族の元で、幸せを見つけていたことが分かる。

 だからこそ「一人で生きなきゃならん時が来る」「離れていたって支え合える」という泰樹(草刈正雄)の言葉は胸に響く。脚本執筆を担当する大森寿美男は、「僕らは宿命的に境遇を選べず生まれてくるけれど、その先は誰と出会いどんなことが起きるかによって、人生は無限に変わっていく」とインタビューの中で話しており、ヒロインのなつだけでなく、咲太郎、そして千遥にもその人生が描かれている。

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