『ジョーズ』と共通点? 『クワイエット・プレイス』ジョン・クラシンスキー監督が語る

『クワイエット・プレイス』監督が語る

 9月28日公開の映画『クワイエット・プレイス』のジョン・クラシンスキー監督が、本作と『ジョーズ』の共通点について語った。

 『トランスフォーマー』シリーズのマイケル・ベイの製作会社、プラチナム・デューンズが製作した本作の舞台は、音に反応し人間を襲う“何か”によって荒廃した世界。その“何か”は、呼吸の音さえ逃がさず、誰かが一瞬でも音を立てると、即死する。そんな中で生き残った1組の家族、エヴリン&リーの夫婦と子供たちは、手話を使い、裸足で歩き、道には砂を敷き詰め、静寂とともに暮らしていたが、エヴリンは出産を目前に控えていた。果たして彼らは、最後まで沈黙を貫けるのか。

 主人公エヴリンを演じるのは、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラント。その夫・リー役を、実生活でも彼女の夫である『プロミスト・ランド』のジョン・クラシンスキーが演じ、監督も務めた。

 本作の脚本草稿を初めて読んだとき、音を立てたら死ぬという設定に深く魅了されたというクラシンスキー。その時期、妻であるブラントは第二子となる娘を出産したばかりで、クラシンスキーは日常生活の中で、声を落とした静けさと、新たに親となる不安のなかで夜を過ごしていたという。そんな状況もあり、ちょっと声を上げたり足音を響かせただけで即、死が待っている世界で、神経をすり減らしながら安全を確保するだけでなく、互いのつながりを求める家族というアイデアに、彼はすっかり心を奪われたのだそう。

 物語を手直しするうちに、ホラーという初めてのジャンルの力を活用して、独自の形で演出する方法を思いついたクラシンスキーは、一瞬一瞬手に汗握る伝統的なホラー映画の恐怖を作り上げることに加え、音と静寂、そして恐怖と愛がせめぎ合う映画を作り、緊迫した感情的な“没入型”の体験を観客に提供したいと考えた。そんなクラシンスキーは「本当に、ぼくの好きな映画たちは、ホラーであれ何であれ、作品の奥に力強いメタファーがあるんだ。たとえば、『ジョーズ』は歴代でも大好きな映画のひとつだ。でも、ぼくにとって『ジョーズ』はサメについての映画じゃない。それは乗り越えるべきものがある3人の男についての物語で、サメはその触媒だ。ぼくはそんな風に観ていた。怖い映画だけど、それが怖いのは実際の家族についての映画だからだ。そして自分にはそこに重ね合わせる個人的な体験があると感じていた」と語る。

 あらゆるホラー映画と同様に、恐ろしい悪夢を体現する刺激的なシナリオから出発し、愛と恐怖が結びついていく本作。クラシンスキーは「観客は最も強烈に恐怖を感じることになる、自分がその場にいるように感じるからね。それがぼくのやりたいことの核だった」とコメントしている。

■公開情報
『クワイエット・プレイス』
9月28日(金)全国公開
監督・脚本・出演:ジョン・クラシンスキー
脚本:ブライアン・ウッズ、スコット・ベック
製作:マイケル・ベイ、アンドリュー・フォーム、ブラッド・フラ-
キャスト:エミリー・ブラント、ミリセント・シモンズ、ノア・ジュプ
配給:東和ピクチャーズ
(c)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
公式サイト:https://quietplace.jp/

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