吉沢亮の優しさはどこに宿っている? 『サバイバル・ウェディング』“隣で寄り添う”ことでの存在感

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 第4話ではせっかくの誕生日にも関わらず、一人ぼっちのさやかであった。そんな中、元彼の和也のマンションに誘われたかと思えば、和也の今カノのカオリ(石田ニコル)とまさかの鉢合わせ。そこでカオリから和也はさやかのことをセフレだとしか思ってないだの、散々に悪口を言われ、失意に沈み込んでしまう。

 もう誰も自分の誕生日をまともに祝してくれないのではないかと思っていると、祐一からメールが届く。「さっき、接待が終わって、今帰ってます。これから家で残業です(笑) 黒木さんも大変だと思いますが、お互い頑張りましょう! 遅れちゃいましたが 誕生日おめでとう」。ここでまた、祐一の“寄り添う”というフォローの形がにじみ出ている。「黒木さんも大変だと思いますが」という一言には、さやかの側には祐一がいてくれていることを思わせてくれる。だからこそ、さやかはそのメールからパワーをもらうことができた。もちろん、ここでの「頑張りましょう」は、あくまで仕事に関して「頑張りましょう」ということを伝えようとして送られたメールであろう。ただ、その時のさやかにとって、その「頑張りましょう」は仕事だけにとどまらず、孤独の中にいるさやかにそっと手を差し伸べてくれるかのように、エールを伝える「頑張りましょう」のように思われたことだろう。

 祐一の魅力は、絵に描いたような白馬の王子様のオーラを出しているだけではなく、そこには“押しつけのない優しさ”がある。「頑張りましょう」とは言いつつも、どこか「頑張りすぎないでくださいね」とでも言いたげな雰囲気の語り口が、さやかを安心させているように感じられる。物語が始まって以来、宇佐美の指示通りにあらゆる方向性を模索しながら、汗を流し続けるさやかにとって、祐一のこの存在はとても大きい。(当然、祐一はさやかが今置かれている状況を詳しく知らないわけではあるけれど)祐一の言葉を聞いているときのさやかは、“サバイバル”な状況からの束の間の休息を与えられている感がある。

 それまでは年下感を出してきた祐一であったが、メールの結びは「おめでとうございます」ではなく、「おめでとう」であった。この後の2人の接近を予感させるだけに、次回からの展開が待ち遠しい。

(文=國重駿平)

■放送情報
『サバイバル・ウェディング』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00~放送
出演:波瑠、伊勢谷友介、吉沢亮、高橋メアリージュン、ブルゾンちえみ、前野朋哉、小越勇輝、奈緒、石田ニコル、ついひじ杏奈、山根和馬、風間俊介、須藤理彩、野間口徹、生瀬勝久、財前直見、荒川良々
脚本:衛藤凛
原作:『SURVIVAL WEDDING(サバイバル・ウェディング)』大橋弘祐著(文響社)
音楽:木村秀彬
出演:佐藤東弥
プロデューサー:鈴間広枝、大倉寛子
制作協力:日テレアネックスオン
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/survival-wedding/

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