大内雷電の『ハン・ソロ』評:特撮オタクが見た『スター・ウォーズ』の未来と可能性

大内雷電の『ハン・ソロ』評

キーラとダース・モールは謎だらけ

 ハンとランドの争いの原因でもあるキーラはまだ謎が多すぎる。まず、どうしてスラムからここまで成り上がったのかが不明のまま終わってしまった。ただ時系列を考慮すれば、これから制作されるオビ・ワン、そしてボバ・フェットのスピンオフで、主要キャラクターとして再登場する可能性も考えられる。ダース・モールからも強い信頼を受けていることが明らかになったキーラは、今後さらに重要な存在となるだろう。

 あっさりと再登場したダース・モールだったが、本作は『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』で、オビ・ワンに体を真っ二つにされて奈落へ落ちていった“後”の物語。どうして今回復活を遂げたのかと言うと、日本ではあまり知られていないが『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』の間を描いたアニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』で、ダース・モールは下半身をサイボーグ化し、復活を遂げているのだ。(ちなみに、『ハン・ソロ』より後を描いた『スター・ウォーズ 反乱者たち』シーズン3で、ダース・モールはオビ・ワンに復讐を挑むが一瞬でやられている)

ドライデン・ヴォス

 久々の映画シリーズの登場となったわけだが、結局ダース・モールにさえドライデン・ヴォスの死に関する嘘の報告をするキーラが、一番の黒幕なのではないだろうか。ハンと再会した時に彼女は随分と余裕を見せており、むしろ彼が来ることは想定内だった可能性すらありえる。

 そしてハンはラストでジャバ、そしてルーク、オビ・ワン、さらにボバ・フェットもいるであろうタトゥーインへ向かう。ここから面白くなっていくわけだが、本当に今後のスピンオフは実現するのか? 期待して待ちたい。

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