患者の“たった1人の医師”となった上野樹里 『グッド・ドクター』“救えなかった命”が伝えるもの

『グッド・ドクター』上野樹里の思い

 「苦しんでいる患者が目の前にいるのに、平気で見捨てる医者に私はなりたくありません」。『グッド・ドクター』(フジテレビ系)第3話では、瀬戸夏美(上野樹里)の患者を救いたいという思いが強く浮き彫りになった。

 夏美は、東郷記念病院の小児科に入院し、翌週に手術を控えた舞(中島琴音)の不安をなくそうと、1冊の絵本を手渡す。新堂湊(山崎賢人)は絵本のイラストを見て「ソラマメですか」と近づき、夏美は「腎臓でしょ。ちゃんと見てよ」と訂正する。「舞ちゃんが元気になるために」というタイトルがついた手作りの絵本は、夏美が舞のために作ったもの。「やっぱり、ソラマメです」。もう一度湊が言うと、「ソラマメだ、ははは」と近くにいた子供たちも駆け寄り、湊が小児科の子供たちとすっかり打ち解けてきている様子だ。

 東郷記念病院に絞扼性イレウスの6歳の美結(竹野谷咲)が運び込まれてくる。美結は、病院をたらい回しにされ、既に発症から4時間以上が経過しており、病院に到着した直後には、間もなく心停止してしまう。夏美の懸命な心臓マッサージで一命を取り留めるも、すでに手遅れの状態だった。

 小児外科医を束ねる科のエース高山(藤木直人)は当時、病院には不在。間宮科長(戸次重幸)は、患者を死なせた場合に病院の名が傷つくことを恐れ、美結を他の病院に回すよう告げる。しかし、夏美は自分が手術をすると決意する。夏美は、患者を「助けたい」という気持ちを強く持つ医師であり、小児科内で唯一、湊に理解を示している存在だ。それは、湊が子供たちを救いたいと強く願う気持ちが、自らの思いと同じであることを感じているからなのだろう。

 だが、夏美の懸命な処置も虚しく、結果的に美結を助けることはできなかった。美結の両親である英雄(高橋洋)と詩織(前田亜季)は、手術前に「娘を助けてください」とすがりついていた様子とは一変、「お前が美結を死なせたんだろう?」と夏美に掴みかかかる。

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