土屋太鳳『チア☆ダン』は映画版とは大きな違いが? オダギリジョーらの複雑な事情が明らかに

『チア☆ダン』は映画版と大きな違い?

 「無茶な夢でも言うのはタダや」。前向きな言葉のオンパレードでも、その言葉に説得力を感じるのは、それを語る登場人物の中に葛藤や悩みがあるからに他ならない。本作の主人公わかば(土屋太鳳)は、かつて「JETS」でセンターを務めた姉のあおい(新木優子)と、「JETS」のある高校に入れなかったことへのコンプレックスを抱えながら、チアをやる夢を諦めかけていた。そんな中で、転校生・汐里(石井杏奈)の登場によって、再び前を向き始めたのである。

 7月20日放送のTBS系金曜ドラマ『チア☆ダン』の第2話。「打倒JETS」と「全米制覇」を掲げて発足し、6人の部員が集まり、太郎(オダギリジョー)が顧問になることも決まったチアダンス部だったが、正式な部活動として認めてもらうためにはあと2人部員を集めなければいけない。そこで彼女たちは部員募集のためにビラ配りに奔走し、そして全校生徒の前でチアを披露することを決めるのだ。

 先週の第1話で、福井駅前の広場であおいを見送るために「できっこないを やらなくちゃ」を踊ったわかばたちが、警察に声をかけられた際に思わず「顧問です」と言ってしまった太郎。先週の初登場シーンで、学校に向かうバスを暗い表情で眺め、妻の今日子(松本若菜)から「頑張りすぎない」と諭された太郎。しかしその後彼は、恩師でもある蒲生校長(阿川佐和子)にこう語る「頑張れって言われるのもきついけど、頑張らんでいいって言われ続ける毎日もきつい」。

 太郎が休職していた理由が「心の病」であることは、語られずとも容易に見て取れる。それでもその過去を、第1話では若干の回想を加えながらも極力オブラートに包みながら描き出していた部分が見受けられた。しかし、今回の劇中ではチアダンス部発足に反対し“働き方改革”を引き合いに出す桜沢教頭(木下ほうか)と蒲生校長との会話のシーンで「心の病」という言葉が桜沢から発せられた瞬間、蒲生校長の目線ひとつで確証を生む。そしてかつて働いていた学校での生徒との関係の解れが回想で描かれたのである。

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