2018年上半期ホラー映画を取り巻く状況 クオリティーの低い作品が劇場に?

2018年上半期ホラーを憂う

『怪怪怪怪物!』

 しかし、下期に向けて嬉しい知らせもある。3年振りの「シッチェス映画祭」ファンタスティック・セレクションの復活だ。ペドフィリア逮捕歴のある変態監督ヴィクター・サルヴァの『リターン・オブ・ジーパーズ・クリーパーズ JEERPERS CREEPERS3』、東京国際映画祭でその胸糞悪さで話題をさらった台湾ホラー『怪怪怪怪物!』の2作品は見逃せない。また定番の「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション」も例年通り開催され、プレデター風ビッグフット『プライマル・レイジ』や魔女系ゴア映画『ミューズ』などデキの良いホラー映画の公開が予定されている。加えて、2016年の東京コミコンで限定公開され人気を博した『ゲヘナ~死の生ける場所~』も、ついに一般公開される。

 本当にホラー映画を楽しむには、劇場主催イベントや小規模な単館公開に足繁く通うしか方法はない……というのが最近のホラー映画を取り巻く状況だ。とにかく、隠れた傑作を一般公開に持ち込むには『ゲヘナ』のように地道に草の根運動をやるほかないのだ。

 そんなわけで、ホラー映画人気に火を入れるべく、僕は良質なホラー作品をRealSoundで続々紹介していく予定です!!

■ナマニク
ライター。ZINE『残酷ホラー映画批評誌 Filthy』発行人。『映画秘宝』にて「ナマニクの残酷未公開 Horror Anthology」連載中。単著に『映画と残酷』(洋泉社)がある。2011年シッチェス映画祭に出展された某スペイン映画にヒッソリと出演している。

■公開情報
『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』
TOHOシネマズ シャンテほかにて公開中
監督:マイケル・スピエリッグ&ピーター・スピエリッグ
出演:ヘレン・ミレン、ジェイソン・クラーク、セーラ・スヌーク
提供:ポニーキャニオン/REGENTS
配給:REGENTS/ポニーキャニオン
2018/オーストラリア、アメリカ/英語/99分/スコープ/5.1ch/原題:Winchester/G/字幕翻訳:栗原とみ子
(c)2018 Winchester Film Holdings Pty Ltd, Eclipse Pictures, Inc., Screen Australia and Screen Queensland Pty Ltd. All Rights Reserved.
公式サイト:winchesterhouse.jp

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