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『万引き家族』は、なぜカンヌ最高賞を受賞したのか? 誇り高い“内部告発”を見逃してはならない

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 この『万引き家族』では、それが世界からも高く評価され憧れられている(と言われているが実際どうなのかは知らない)経済大国のひとつ、日本という国のしかも首都・東京で起こる“実情”を、日本人が包み隠さずに映し出したことに大きな衝撃と意義があるということだ。自国の歴史や抱えつづける様々な問題。それらを客観的に見つめることを、なぜかこの国はいまだに避け続けている中で、この誇り高い内部告発が為された事実を見逃してはならない。

 今まで世界で高く評価されてきた日本映画といえば、黒澤明のような並外れたスケールをもつタイプの作家を除けば、『東京物語』や『雨月物語』にはじまり、『HANA-BI』や『楢山節考』、『うなぎ』、『千と千尋の神隠し』、そして『おくりびと』と、いずれも日本独特の死生観への好奇が伴っていた印象だ。もちろん本作でも例外なく死に向き合う姿と、生きることへの模索がひとつのキーとして描き出されているが、そこに“日本らしさ”などという特殊性はもはや存在していないのだ。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■公開情報
『万引き家族』
6月8日(金)、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
製作:フジテレビ、ギャガ、AOI Pro.
配給:ギャガ
(c)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
公式サイト:http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku

      

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