天馬の態度は打算なのか? 『花のち晴れ』中川大志&平野紫耀の鉄板バトルに没入してしまう理由

『花晴れ』鉄板バトルに没入してしまう理由

 それにしても、遊園地の帰り4人の前で偶然通りかかった人にぶつかってベビーカーが階段を駆け下りていくのを、晴が体を張って助けるというシーン。セルゲイ・エイゼンシュテインの『戦艦ポチョムキン』の中に登場する“オデッサの階段”のシーンにオマージュを捧げた、ブライアン・デ・パルマの傑作『アンタッチャブル』のユニオン駅での名シーンを再現といったところか。無我夢中でベビーカーを止めるために駆け出し、華麗なアクションを決めながら無事に助け出す晴。しかしそんな彼を心配して真っ先に駆け出してきたのは音ではなくメグリンだった。

 メグリンから愛嬌たっぷりの愛の告白をされても、1ミリも心が動かされないほどに音への想いをたぎらせる晴の元に“観覧車での話”の続きをしに来たと訪れる音。絶妙なタイミングで流れる宇多田ヒカルの挿入歌でものすごく雰囲気が完成されたことは抜きにしても、まっすぐな言葉で想いを伝える晴の姿は決して“10点満点で5点”とするには勿体無い。ドラマのお約束的な展開を薄々感じながらも、それでもこの世界に没入して、晴を応援せずにはいられなくなってしまう。

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■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『花のち晴れ~花男 Next Season~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜放送
出演:杉咲花、平野紫耀(King & Prince)、中川大志、濱田龍臣、飯豊まりえ、今田美桜、鈴木仁、中田圭祐、反町隆史、佐々木すみ江、デビット伊東、木南晴夏、堀内敬子、テット・ワダ、志賀廣太郎、高岡早紀、滝藤賢一、菊池桃子
原作:神尾葉子『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
脚本:吉田恵里香
音楽:大間々昂
主題歌:「シンデレラガール」/ King & Prince(Johnnys’ Universe)
プロデュース:瀬戸口克陽
協力プロデュース:齊藤彩奈
演出:石井康晴、坪井敏雄、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/hana_hare/
公式Twitter:@hanahare_tbs
公式Instagram:@oto_edogawa

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