初登場3位『孤狼の血』は「東映復活」の鍵となる超重要作

『孤狼の血』は東映復活の鍵となる超重要作

 ミステリー作家柚月裕子による見事な原作を映画化した『孤狼の血』は、そうした「ヤクザ映画」の枠組や、「実録路線」の枠組にはとらわれずに、往年の東映実写映画のスピリットを抽出することに成功している。また、松坂桃李という新世代の看板スターを得て、本作がスマッシュヒットした意義も大きい。原作小説の続編となる『凶犬の眼』も刊行されたばかり。本作のシリーズ化にも大いに期待を寄せつつ、近年あまり活気のなかった東映の実写映画に復活の兆しが見えたことを喜びたい。

■宇野維正
映画・音楽ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」「MUSICA」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」「文春オンライン」「Yahoo!」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮社)、『くるりのこと』(新潮社)、『小沢健二の帰還』(岩波書店)。Twitter

■公開情報
『孤狼の血』
全国公開中
出演:役所広司、松坂桃李、真木よう子、音尾琢真、駿河太郎、中村倫也、阿部純子、中村獅童、竹野内豊、滝藤賢一、矢島健一、田口トモロヲ、ピエール瀧、石橋蓮司、江口洋介
原作:柚月裕子(『孤狼の血』角川文庫刊)
監督:白石和彌
脚本:池上純哉
配給:東映
製作:「孤狼の血」製作委員会
レイティング:R15
(c)「孤狼の血」製作委員会
公式サイト:www.korou.jp

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