坂口健太郎主演『シグナル』、物語は後半戦に突入 キャバクラシーンでBTSのサプライズも

『シグナル』、物語は後半戦に突入

 第3話から続いたヒューマンドラマとしての空気感を提げた前半に対し、5月8日放送の第5話から幕を開けた後半では大きく舵を切る展開となった『シグナル 長期未解決事件捜査班』(関西テレビ・フジテレビ系)。大山剛志(北村一輝)が中心に描かれる過去パートでは、大山と桜井美咲(吉瀬美智子)の関係性が築かれていく部分が描写される一方、連続窃盗事件をめぐり、大山が元窃盗犯である工藤雅之(平田満)とその娘・和美(吉川愛)の元を訪れる。現在パートでは、三枝健人(坂口健太郎)が、2018年現在で大山が失踪していることを知り、少しずつ無線機の真相に王手がかかっていた。

 第5話では物語の中に散りばめられた要素をつなぐようなシーンが多く、三枝の家庭環境や城西署の過去の様子、健人が大山を追っていることの進捗など、事件とは別の軸で動いているストーリーに進展があった。このことで各々のキャラクターのバックボーンが明らかになり、事件に対する取り組み方や考え方の違いが、より一層魅力的に受け取れるようになる。このような演出によって、われわれ視聴者はキャラクターに深く感情移入できるようになるのだろう。

 また、ゲストの吉川愛は、かつて『山田太郎ものがたり』(TBS系)や『メイちゃんの執事』(フジテレビ系)などで美少女子役として一世を風靡した元子役だ。第5話では、工藤の娘としてしっかり者で優しい心を持った少女を熱演。さらに、今後明らかになるであろう、炎の中で焼死していく姿も強烈なインパクトを残した。和美がどうして炎の中にいるのか、現在の物語では一切明らかになっていないが故に、脈絡なく挿入される炎の中の少女のシーンで余計に恐怖を感じた視聴者も多かったのではないだろうか。第2話以来のホラー要素の強い演出の多さだったため、強く印象に残る回となった。この緊張感を上手く利用し、緩急を操作することで最終話まで惹きつけてほしいものだ。

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