ディーン・フジオカが語る『モンテ・クリスト伯』での挑戦 「誰もが自問自答してしまう物語」

ディーン・フジオカ インタビュー

柴門暖からモンテ・クリスト・真海へ

ーー第1話終盤の拷問シーンには、視聴者の間でも大きな反響がありました。台本でト書きとして読んだときと、実際に現場で演じる際には大きなギャップがあったのでは?

ディーン:おっしゃる通りです。「なんで、このト書きがここまで……?」と正直思いました(笑)。現場では最初から皆さん“本気”なので、一切妥協がありません。拷問シーンのNG集を見ていたら本当に苦しんでいる自分が映っていました。タップアウトしてしまうぐらいで。これまでさまざまな作品に出演してきましたが、自分が限界を迎えて撮影を止めてしまったというのは初めての経験でした。拷問のシーンに関しては演技ではないというか、人間のリアルな反応になっているのではないかと。

ーー拷問シーンに容赦のなさが詰まっていたように、製作陣の本気が伝わってきます。

ディーン:だから撮影をしていてもすごく楽しいですし、やりがいがあります。共演者の方々も本当に素敵な方ばかり。次のシーンは新井(浩文)さん、次は(高橋)克典さん、次は大倉(忠義)さんと、毎日が演技バトルのような感じで。相対するときに常に緊張感と興奮があります。第1話では、暖として(山本)美月ちゃん演じるすみれと濃く接していただけに、これからモンテ・クリスト・真海としてどんな絡み方になるのかも楽しみですね。キャスト・スタッフともに、高い意識を持って本作に臨んでいるのを肌でビシビシ感じるので、僕も最後までチェレンジし続けていきたいなと思います。

ーー先ほど「柴門暖としてオールアップ」と言っていましたが、モンテ・クリスト・真海でありながら、ふとした瞬間に暖が垣間見える瞬間も?

ディーン:第3話からはまったくの別人、モンテ・クリスト・真海になっているので、ほとんどないと思います。ですが、出てこないがゆえに一瞬でも暖が垣間見えたときのカタルシスは、大きなものになるのかなと。暖と同じ境遇になることはないにせよ、誰もが思わず自問自答してしまう要素がこの物語にあると思っています。人間が生まれてから死ぬまで、死んだ後にどうなるかは自分自身にしか答えが出せません。本作はその問いを考えるきっかけになれるのではないかと。復讐マシンと化したモンテ・クリスト・真海と暖とのギャップ、そして真海の揺れ動く心を、今後楽しみにしていただけたらと思います。

(取材・文・写真=石井達也)

■放送情報
木曜劇場『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』
フジテレビ系にて、毎週木曜22:00~22:54放送
出演:ディーン・フジオカ、大倉忠義、山本美月、高杉真宙、葉山奨之、岸井ゆきの、渋川清彦、桜井ユキ、三浦誠己、新井浩文、田中泯、風吹ジュン、木下ほうか、山口紗弥加、伊武雅刀、稲森いずみ、高橋克典
原作:アレクサンドル・デュマ『モンテ・クリスト伯』
脚本:黒岩勉
プロデュース:太田大、荒井俊雄
演出:西谷弘、野田悠介
(c)フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/MONTE-CRISTO/

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