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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ特集上映は「大映男優祭」

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、横浜(DeNA)ベイスターズファン歴21年目、新婚フルスイング石井丸が「大映男優祭」をプッシュします。

【大映男優祭】

 神保町シアター、ラピュタ阿佐ヶ谷、シネマヴェーラ渋谷……など、館数自体は減少傾向にあるものの、いまだ旧作日本映画を浴びるように観ることができる街・東京。そんな名画座連合軍に加え、角川シネマ新宿をメイン館に、日本映画史に名を残す“大映映画”が堪能できるのが、この「大映男優映画祭」です。

 戦時中の1942年に創立された大映株式会社は1971年に倒産。しかし、わずか30年の間に、黒澤明監督作『羅生門』、溝口健二監督作『雨月物語』、衣笠貞之助監督作『地獄門』など、日本だけでなく、世界の映画史に名を残す名作の数々を製作していきます。芸能事務所に役者が所属し、ほとんどの監督はフリーで、どんな仕事もできる、という現在のシステムとは違い、当時は映画会社が監督・役者を専属に抱えていました。自ずと、東宝や松竹など、各会社ごとに集まる役者や作品のカラーも違っていきます。大映映画はスーパースター長谷川一夫主演の『銭形平次』シリーズ、市川雷蔵の『眠狂四郎』シリーズ、勝新太郎の『座頭市』シリーズなどの時代劇もの、そして京マチ子、山本富士子、若尾文子が輝きを放った強い“女性映画”が特徴のひとつでした。

 今回の特集上映では、そのタイトルの通り、時代劇にとどまらず荒ぶり色気を放つ、昭和の男優たちの姿をたっぷりと観ることができます。勝新太郎の『座頭市血笑旅』で見せた切なさ、川口浩の『闇を横切れ』での熱血新聞記者ぶり、市川雷蔵の『薄桜記』の虚無感に支えられた暴力性……などなど、優男や色男とは違う、どこか無骨な俳優たちの魅力が溢れ出ている作品ばかりです。

 個人的に上映作品から1本を選ぶなら、増村保造監督作『盲獣』。江戸川乱歩のダークな原作を、異常に作り込まれた美術セットと船越英二の怪演と緑魔子の魔性の美しさで見事に映像化しています。盲目の彫刻家がモデルを職業とする女性を家のアトリエに監禁し……というあらすじ。約50年前の作品でありながら、現実と妄想が混じり合っていく倒錯された世界観は、まったく古臭さを感じません。肉体と肉体がぶつかり合って生まれる“狂気”の終盤は、スクリーンで観ることができるこの機会を絶対に逃すべからずです。

「大映男優祭」予告編

■公開情報
「大映男優祭」
4月14日(土)~角川シネマ新宿ほか順次上映
作品数/ラインナップ45本(角川シネマ新宿のみ)
主演男優と主な作品
長谷川一夫『雪之丞変化』(市川崑監督)
長谷川一夫『地獄門』(衣笠夏之助監督)
市川雷蔵『薄桜記』(森一生監督)
勝新太郎『座頭市物語』(三隈研次監督)
田宮二郎『白い巨塔』(山本薩夫監督)
船越英二「黒い十人の女」(市川崑監督)
川口浩『おとうと』(市川崑監督)            
など45作品
各作品の詳細&上映スケジュールは公式サイトにて

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