『ちはやふる -結び-』シリーズ最高興収へ好スタート! 広瀬すずの真価はスクリーンで発揮される

『ちはやふる -結び-』、好スタート!

 先週末の映画動員ランキングは、1位が3週連続で映画ドラえもん のび太の宝島』。初登場2位が『リメンバー・ミー』。土日2日間の前者の動員が38万8000人、後者の動員が36万8000人という大接戦。興収の順位では4億8800万円をあげた『リメンバー・ミー』が4億6000万円の『のび太の宝島』をわずかに上回って1位となった。

 2016年の『新・のび太の日本誕生』と『アーロと少年』、2017年の『のび太の南極カチコチ大冒険』と『モアナと伝説の海』。近年、春休みのアニメーション作品興行において熾烈な争いを繰り広げてきたドラえもん作品とディズニー(/ピクサー)作品。昨年はそこにイルミネーション作品『SING/シング』も加わって三つ巴の争いとなり、最終的には『SING/シング』の圧勝に終わったが、今年は『のび太の宝島』の勢いがまだまだ続きそうだ。

 一方、『リメンバー・ミー』は全世界的には『モアナと伝説の海』を超えるメガヒットを記録、しかも2015年の『シンデレラ』(国内最終興収57.3億)に続いて『アナと雪の女王』の短編新作、今回は22分にも及ぶ『アナと雪の女王/家族の思い出』の併映というキラー・コンテンツを抱えているにしては、今一つスタートダッシュに迫力がない。その背景にはメキシコという舞台やギターという題材よりも「主人公が女の子でも動物キャラでもなくて男の子である」ということが、日本での海外アニメーション作品興行の特異性を表しているようにも思うが、作品への高い評価が広がっていくに違いない今後の推移を見守りたい。

 今回、もう一つ注目したいのは、3位に初登場した『ちはやふる -結び-』だ。2016年3月に『上の句』、4月に『下の句』が公開された実写版『ちはやふる』のシリーズ3作目にして完結編となった今回の『ちはやふる -結び-』。この2年のあいだに広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、松岡茉優らメインキャストたちが日本映画界(新田真剣佑は4月13日に日本公開される『パシフィック・リム:アップライジング』でも大抜擢されている)において揃って充実したキャリアを歩んできていることが、シリーズ過去2作の価値を何よりも証明していると言っていい。

 そんなファンにとっては待望の新作となった『ちはやふる -結び-』は、土日2日間で動員21万人、興収2億5700万円を記録。この数字は、同じオープニング2日間の興収比で『上の句』の144%、『下の句』の119%という好成績。累計興収で『上の句』は16億3000万円、『下の句』は12億2000万円という数字に落ち着いたことからも、基本的にシリーズの2作目以降は初動に数字が偏る傾向があるのでまだ予断は許さないが、こちらも『リメンバー・ミー』同様に作品評価が非常に高いこともあり、シリーズ最高記録も十分期待できる。

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