三代目JSB山下健二郎、飛躍の理由は“迫真の演技パフォーマンス”にあり

山下健二郎の“演技パフォーマンス”

 そうした山下の演技の真骨頂は、映画館のスクリーン上でもライブのステージと同じように観客席へ直接語りかける迫真性だろう。ライブ会場では、パフォーマーの熱気をオーディエンスが直に感じ、共有することができるが、映画にはスクリーンの枠がある以上、それは難しい。だが、ライブ・パフォーマンス同様に熱を帯びていく山下の好演(熱演)は、スクリーンには到底収まり切らずに、その枠内から勢い飛び越えていこうとする。そうなるともうライブのオーディエンスと何も変わらない。映画館の観客もまた山下が目の前で展開する“演技パフォーマンス”を素肌で感じられるようになるのだ。

 本能的なフレーム感覚で画面の中にピタリと収まりながらも、そこからダイナミックにスクリーンの先を臨む山下健二郎の演技は、確かに「一番の役者」のものだろう。しかし実際の山下の感覚からすると、演技とパフォーマンスとの間にはあまり違いはないはずだ。映画館もステージも同じ檜舞台。そこに観客=オーディエンスがいる限り、彼は持ち前の笑顔をふりまき続けるに違いない。

(文=加賀谷健)

■公開情報
『パンとバスと2度目のハツコイ』
全国公開中
キャスト:深川麻衣、山下健二郎(三代目J Soul Brothers)、伊藤沙莉、志田彩良、安倍萌生、勇翔、音月桂
監督・脚本:今泉力哉
主題歌:「Puzzle」Leola(Sony Music Associated Records)
配給:「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会
(c)2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会
公式サイト:www.pan-bus.com

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