中村ゆりかが語る、等身大の役作りの秘訣 「自分が納得できるような演技を心がける」

中村ゆりかインタビュー

 林明輝の同名WEB漫画を実写映画化した『ラーメン食いてぇ!』が3月3日に公開された。本作は、いじめに遭いながらも、人気ラーメン店“清蘭”の店主を務める祖父のラーメン作りを継ぐことで生きる希望を得る、女子高生・紅茉莉絵の姿を描いた人間ドラマだ。

 今回リアルサウンド映画部では、主人公・紅茉莉絵役で主演を務めた中村ゆりかにインタビューを行った。等身大の役作りや、実際に教わったというラーメン作りのエピソード、そして葵わかなとの共演などについて話を訊いた。

「作りすぎてしまうと魅力がなくなってしまうのではないかという不安もあった」

ーー今回の作品はWEB漫画が原作ですが、最初に話を聞いたとき、どのような印象を受けましたか?

中村ゆりか(以下、中村):まず『ラーメン食いてぇ!』というのがタイトルだと分からなかったんですよ(笑)。調べてみてWEB漫画が原作ということを知って、実際に原作漫画を読ませていただいたら、すごく熱い物語で。完成した映画もそうなのですが、笑いあり涙ありの感動作だったので、そういう作品に携わることができるのは単純にうれしかったです。撮影も楽しみになりました。

ーー人生に迷い絶望しながらも、ラーメンによって生きる力を取り戻していくという、自身が演じた茉莉絵のキャラクターをどう受け止めましたか?

中村:この作品は茉莉絵ちゃんが成長していくお話でもあるので、飾るようなことはせず、いわゆる普通の高校生の女の子でいることを意識しました。友達との複雑な関係性やおじいちゃんとの信頼感のある関係は、自分自身も経験したことがあったので、その辺りを意識したり想像したりしながら役作りをしました。

ーー自分自身の経験を重ね合わせながら役作りを行ったと。

中村:そうですね。でも今回は監督からイメージを教えていただくことが多かったので、逆に私自身の中であまり茉莉絵ちゃんを作り込むことはしないようにしました。監督とお話をしながらイメージを共有していただき、撮影を進めながらも、その場の空気感や感覚で慎重に作っていった気がします。だからこそ私自身の素の部分もあると思いますし、成長していくところが垣間見えるようになっていると思います。

ーー普段からそういった役作りの仕方をするんですか?

中村:作品が原作ものだったり自分が演じるキャラクターが濃かったりすると、ある程度勉強しないとダメだなとは思いますが、今回の作品は原作ものではあるものの、作りすぎてしまうと魅力がなくなってしまうのではないかという不安もあったので、そこは監督やスタッフさんとお話をしながら進めていきました。作品によって考え方や捉え方は結構変わってくるのですが、今回は原作に忠実な部分もあったので、そこは壊さないようにしながら、友情だったり家族だったりというリアルな部分も大切に、いいバランスを保てるように心がけていきました。

ーー今回、実際にラーメン作りを教わったそうですね。

中村:スープのだしを作るための骨を砕く作業から麺打ちの作業まで、かなり細かく教わったので、ラーメン作りのシーンは忠実に再現されていると思います。ラーメン作りを教わることなんて普通だったらなかなかないことなので、とても貴重な経験をさせていただけました。私自身もまさかラーメンを作るとは思っていませんでしたから(笑)。同年代の子と何かに向けて切磋琢磨するという経験もこれまでほとんどなかったので、(葵)わかなちゃんと一緒に学べたことも大きかったです。お芝居の面での勉強にもなりましたし、絆ってこういう風に作っていくんだなと感じることができたので、とてもいい経験になりました。

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