深田恭子が切ない笑顔を封印 『となかぞ』第7話、これまでで一番胸が苦しくなる回に

『となかぞ』第7話、胸が苦しい回に

 聡子の喝が効いてか、「奈々がつらい思いをしている“はず”」と察してきただけの大器は、奈々から不妊治療に対する本当の思いを聞くことができ、さらには自身が治療のつらさからカウセリングに通っていることを奈々へ打ち明けた。第6話でキスが減ったと悩んだ奈々だったが、逆境を乗り越えたからこその2人のベッドシーンは、なによりも愛を感じ、美しく純粋だった。

 本音はすべて打ち明ければいいというものではなく、相手に心情に合わせて伝えなくてもいい内容ももちろんある。しかし、事実婚カップルの杉崎ちひろ(高橋メアリージュン)が、息子になんでも買い与えてしまう亮司に対して、「心のなかに入っていかなきゃ」と嫌われることを恐れない心を持つべきだと語っていたとおり、2人の間に愛情があるのならば、自分の考えを伝えなければ互いの成長には繋がらない。

 ほか3家庭でも、青木朔(北村匠海)は高卒認定試験の勉強に励み、広瀬渉(眞島秀和)は母親ふみ(田島令子)にゲイをカミングアウト、真一郎は妻・深雪(真飛聖)にボランティアで働きたいと次なる夢を語るなど、それぞれが本音を通して一歩先へ進んだ第7話。その中でもやはり今回は奈々の成長が著しく感じられ、今まで言えなかった職場への不妊治療も打ち明けることができた。さらに驚くことに最後には、奈々が妊娠したかのような予告編が流れる。

 放送が重なるごとにキャラクターへの愛情が増していく本作。物語が終盤に向かっていく中で、各家庭がどんな形でも、それぞれの幸せを掴んでくれることを祈りたい。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/

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