錦戸亮、演技の魅力は“普通さ”にあり!? 『1リットルの涙』から『羊の木』まで成長を振り返る

 役者が演技をする以上、役を表現すること、それが演技だと伝わってしまうことは当たり前だ。しかし、それをも感じさせない錦戸は役者としても高いスキルを持っているといえるのではないだろうか。錦戸は『1リットルの涙』(フジテレビ系)あたりから役者として注目され始め、その後も『ラスト・フレンズ』(フジテレビ系)、『流星の絆』(TBS系)、『よろず占い処 陰陽屋へようこそ』(フジテレビ系)、『ごめんね青春!』(TBS系)、『サムライせんせい』(テレビ朝日系)、『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)など、数々の個性的な役を演じてキャリアを積んできた。『1リットルの涙』のときの麻生遥斗役を見てみると、表情を「作っている」ことが伝わってくる。しかし、今回の『羊の木』では表情を作っていることは一切感じない。成長の証だ。さらにこれは、役者としてのスキルが上がったことだけでなく、錦戸自身の肩の力が抜けたことも関わっていると言えそうだ。『1リットルの涙』の頃は、デビューしてまだ1年程度。がむしゃらになっていた時期だろう。それが年月を経たことで徐々に自然体になり、それが演技のやり方にも反映されているのではないだろうか。実際、最近の関ジャニ∞の活動を見ると、作られたものではなく素を出すことで好感度につながっている。

 錦戸は大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)にも出演が決まっており、もう間もなく出演回が放送される。『西郷どん』で演じるのは、血気盛んな西郷家の三男・西郷従道/信五。『羊の木』の月末とは真逆の役だ。しかし、これもまた自然体の演技で我々を楽しませてくれるのだろう。役者・錦戸亮から目が離せない。

(文=高橋梓)

■公開情報
『羊の木』
全国公開中
出演:錦戸亮、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:『羊の木』(講談社イブニングKC刊) 山上たつひこ、いがらしみきお
配給:アスミック・エース
(c)2018「羊の木」製作委員会 (c)山上たつひこ いがらしみきお/講談社
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/

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