『アンナチュラル』へのアンサーも? 『99.9-刑事専門弁護士』第4話で“民事事件”を扱ったワケ

『99.9』なぜ民事事件を題材に?

 他にも、再捜査を請求に検察庁を訪れた尾崎が味わう、裁判官を辞めたことによる大きな立場の変化であったり、“杓子定規”な裁判官を登場させることなども含め、今後のドラマの展開に左右してきそうな要素をちらほらとにおわせ続けている。いずれにしても、弁護士のドラマにおいて、敵対する同業者というのは欠かせない存在なのではないだろうか。

 それにしても、今回の裁判で凶器に付着していたセメントの成分を割り出し、それを証拠として矛盾を問う場面には、同じTBSドラマ『アンナチュラル』第3話へのアンサー的なニュアンスを感じる。勝率“99.9%”というやり手の検事と裁判で争い、傷口の保存に使われていたホルマリンに含まれる、包丁の成分から裁判をひっくり返したそのエピソード。裁判の描き方を見ると、娯楽性の強い本作と、理性的で形式的な本来の裁判に近い同作。きっちりと棲み分けができているようだ

20180204-99904-05
20180204-99904-07
20180204-99904-04
20180204-99904-06
previous arrow
next arrow
20180204-99904-05
20180204-99904-07
20180204-99904-04
20180204-99904-06
previous arrow
next arrow

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』
TBS系にて、毎週日曜21:00〜21:54
出演:松本潤、香川照之、木村文乃、青木崇高、片桐仁、マギー、馬場園梓、馬場徹、映美くらら、池田貴史、岸井ゆきの、渡辺真起子、藤本隆宏、首藤康之、奥田瑛二、笑福亭鶴瓶、岸部一徳
脚本:宇田学
トリック監修:蒔田光治
プロデュース:瀬戸口克陽、東仲恵吾
演出:木村ひさし、岡本伸吾
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/999tbs/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる