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ベン・ウィショー、なぜパディントンの声にハマる? その意外な共通点を探る

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 マイケル・ボンド原作の大人気児童小説『くまのパディントン』を基にした映画『パディントン2』が公開中だ。秘境ペルーからロンドンへやってきたくまのパディントンと、彼を家族として受け入れたブラウン一家に巻き起こる事件を描いた物語。シリーズ2作目である今作は、ある出来事がきっかけで泥棒の疑いをかけられたパディントンが、牢獄へ入れられてしまう。無実を証明するため、パディントンとブラウン一家が奮闘する。

 パディントンの声を演じるのは、イギリス人俳優のベン・ウィショー。柔らかく優しげなウィショーの声は、驚くほどパディントンにハマっている。なぜ、こんなにもウィショーの声がハマるのか。その理由は、彼の繊細な演技にあると考えている。

 まず『パディントン』とは一見結びつかないような出演作から考察していく。ウィショーの独特な存在感が発揮された映画と言えば『パフューム ある人殺しの物語』だ。“体臭が全くない”男が、調香師としての類い稀なる才能を開花させる。しかし美しい女性の香りに魅了され、香水の材料を手に入れるため次々と殺人を犯していく。ウィショーが演じるのはジャン=バティスト・グルヌイユという主人公。痩せすぎた体にぎょろぎょろとした目を光らせ、不気味な存在感を発揮する。しかしこの恐ろしい存在に観客は魅了されてしまう。観客は香りを嗅ぐことは不可能にも関わらず、ウィショーの演技を通して作品から匂いが放たれているような感覚にさせられるからだ。

 この彼の繊細な演技が、パディントンの息遣いに活かされているように思える。パディントンはCGとアニマトロニクス(生物を模したロボットを使って撮影する技術)を駆使して製作されていて、実際にウィショーがくまの着ぐるみをかぶって演技をしているわけではない。しかし彼は真摯にパディントンを演じているのだろう。パディントンが困惑した時、驚く時に、かすかに聞こえる息遣いがとにかくリアルなのだ。細かな息遣いさえも演じきる彼だからこそ、パディントンという存在がリアルに感じられる。声優による吹き替えという感覚を忘れさせてくれる演技力が彼にはある。劇中、パディントンが言葉を発さないシーンがいくつかある。しかし「吹き替えの台詞がない」というふうには感じないはずだ。ウィショーの繊細な演技により、その時にはすでにパディントンはCGではなく、リアルな存在に見えているからだ。

      

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