亀梨和也、共演者の魅力を引き出す新境地へ 『FINAL CUT』で見せる“余裕”を読む

亀梨和也、共演者の魅力を引き出す新境地

 草なぎ剛主演ドラマ『銭の戦争』『嘘の戦争』の制作チームが手がける亀梨和也主演ドラマ『FINAL CUT』(カンテレ、フジテレビ系)。情報番組「ザ・プレミアムワイド」の行き過ぎた報道によって、母(裕木奈江)の命を奪われた主人公・中村慶介が、次々と番組制作人に制裁を与えていく“復讐”の物語だ。そして、“情報”という現代に生きる私たちが否が応でも接するものの危うさを、慶介の復讐劇を通して本作は提示している。

 そんな本作を主演として引っ張る亀梨だが、これまでのイメージを覆す新たな一面を見せているとライターの佐藤結衣氏は語る。

「亀梨さんといえば、そのルックスゆえにイケメンキャラを多く演じてこられました。本作においても、美しい外見で女性たちに近づいてはいますが、その根本にあるのは過去の復讐。闇の部分が原動力になっているので、純粋な恋愛ドラマとは異なる複雑な感情を表現されているように思います。印象的なのは、復讐相手との対峙シーン。ラジオ『亀梨和也のHANG OUT』(FM NACK5)でも、数時間かけて集中して撮っているといった発言もありましたし、観ているコチラ側も思わず力が入ります。1話、2話と杉本哲太さん、水野美紀さんと直接対決してきましたが、相手をギリギリまで焦らして、吠えたところを噛み付いていく、そんな戦い方に、亀梨さん自身の俳優としての余裕を感じました。亀梨さんが主演でありながらも引く演技をすることで、共演者のみなさんの演技がより引き立っていく……自ら引っ張っていきながらも、ドラマ全体を支えている。そんな役回りの変化を感じます。KAT-TUNが充電期間に入り、ソロ活動に専念した時期があったのも大きいかもしれません。ソロ活動によって新たな視野が拡がり、ちょうどドラマ開始とあわせてグループとしての活動が再開されました。亀梨さんにとって、“みんなで作っていく”という意識がより強く出ているタイミングの主演作品だったのかなと感じます」

 シリアスな復讐劇を見せる一方で、小河原雪子(栗山千明)、小河原若葉(橋本環奈)姉妹と見せる三角関係も視聴者の気になるところ。

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