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高橋一生、母役・銀粉蝶と涙の名演 『わろてんか』伊能栞の名前に込められた思い

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 『わろてんか』(NHK総合)の登場人物の一人、伊能栞(高橋一生)は大阪の伊能製薬社長の息子であるが、これまで出生についてはベールに包まれた部分があった。第15週「泣いたらあかん」では、1923年(大正12年)に起きた関東大震災をきっかけに、伊能が実母・志乃(銀粉蝶)と奇跡の再会を果たす。志乃が息子の名前につけた願いと、伊能が母から受け取った思いが感動を呼ぶストーリーが展開された。

 志乃は、もともと向島の芸者で妾として栞を産んだ。中学校までは一緒に住んでいたが、体が弱い本家の兄に何かがあった時の保険として、栞は伊能家に引き取られる。その時、志乃は父から多額の手切れ金をふんだくっていた。栞は、自身の生い立ちをてん(葵わかな)と藤吉(松坂桃李)に説明する。「お前がいると邪魔なんだ。お前を厄介払いできてせいせいした。もう二度と会わない。これからお前は伊能家の正式な息子になって、自由気ままに暮らすがいい」。幼い頃に、母から受けた酷い仕打ちが、伊能の心には深く刻み込まれている。「自分の心もわからないような人間が、こうして活動写真を作っている」。志乃と対面し、態度が急変する伊能には、実の母に捨てられた憤りや虚しさの奥に、とうに忘れていた実の母からの温もりや優しさを感じ取る表情があった。

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 キース(大野拓朗)が“東京のお母ちゃん”と呼ぶ記憶喪失の志乃を連れ、大阪に戻ってきたところで伊能は母と再会するが、この時すでに母として、息子として互いに惹かれあっていた。志乃がお袋の味として振る舞った卵焼き、倒れかけた家に取りに戻ったへその緒が入った「栞」と書かれた箱。人の名前には両親の願い、意味が込められているが、志乃が「栞」に込めた願いは、「森の木に1本、1本目印をつけるように、己の人生に迷わず、たくさんの人を導いていってほしい」という「道しるべ」の意味だった。

 伊能は、マスコミからのバッシングにあいながらも、信念を決して曲げることなく、大阪の経済発展や地震の救援に尽力し、大阪府から感謝状を受け取るまでに成長している。現在、「株式会社 伊能活動写真」として事業を行っているのも、小さい頃に志乃とよく一緒に活動写真を観に行ったから。その時、ニコニコ笑う母の姿を見て、人の心を豊かにするような活動写真を作りたいと志したのだ。

      

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