亀梨和也主演『FINAL CUT』は新たな代表作となるか? “今”を顧みる復讐劇への期待

『FINAL CUT』亀梨和也への期待

情報発信の場が限られている“今”の亀梨だからこそ

 慶介は、復讐相手に“公開されるとその人の人生が終わる動画“=ファイナルカットを突きつけていくのだという。母を自殺に至らしめた情報操作によって敵を追い詰めていく姿は、まさに“目には目を“。だが、それにしても不利益な情報が拡散されていくことが、直接命を奪うことよりも残酷な復讐になるのだと改めて感じさせるストーリーだ。

 一度アップされた情報はすぐにコピーされ、削除しても追いつかない時代。一瞬にして見知らぬ人と繋がることのできるインターネットは、一瞬にして多くの敵を生み出すこともできる。「作品の落としどころをどこに作るか、やりようが何パターンもあると思って」と雑誌『QLAP』のインタビューで語っていた亀梨。彼自身、情報の影響力を強く感じているに違いない。

「反対意見が多いかもってわかっていても、覚悟をもって決断を下す瞬間はあるよ」「自分の意思だけじゃなくて大きな視野で見て、最良だと思うことを選ぶようにしてる」その一挙手一投足が多くの人の注目を集めているアイドルならではの強い意思を感じる言葉だ。

 言わずもがな、ジャニーズはインターネットの露出に対して慎重な姿勢を見せている。亀梨自身、公式ファンサイト『ジャニーズWeb』の個人ブログはあるものの、積極的な発信活動はしていない。“発信しない“というのも、一つの意思表示なのだ。見えているものだけではなく、見えないものをどう感じ取っていくのか。亀梨の言葉なき言葉は、きっと作品を通して私たちに伝わってくるのではないだろうか。「“波”が来た」と思える“今”の亀梨だからこそ、魅せることができるドラマに期待が高まる。

(文=佐藤結衣)

■放送情報
『FINAL CUT』
1月9日(火)より、毎週火曜21:00~21:54(※初回放送は、15分拡大)
カンテレ・フジテレビ系全国ネットにて放送 
出演:亀梨和也、藤木直人、栗山千明、橋本環奈、林遣都、髙木雄也(Hey! Say! JUMP)、やついいちろう、杉本哲太、裕木奈江、鶴見辰吾、升毅、水野美紀、佐々木蔵之介
脚本:金子ありさ
音楽:菅野祐悟
演出:三宅喜重(カンテレ)、日暮謙
プロデューサー:豊福陽子(カンテレ)
制作著作:カンテレ
(c)関西テレビ
公式サイト:https://www.ktv.jp/finalcut/

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