亀梨和也主演『FINAL CUT』は新たな代表作となるか? “今”を顧みる復讐劇への期待

『FINAL CUT』亀梨和也への期待

 亀梨和也が主演するドラマ『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)が、1月9日よりスタートする。亀梨にとって、約11年半振りのフジテレビ系連続ドラマの主演。主題歌『Ask Yourself』も、約2年振りに復活したKAT-TUNが歌う。「ありがたいことに、何年も前から(このドラマの)プロデューサーにラブコールをいただいていたんです。でも、なかなかタイミングが合わず、いい企画で交われなくて……。なので、今回ご一緒できるという“波”が来たので、今度こそは応えたいという思いがありました」(参照:エンタメOVO)と、囲み取材で語った亀梨。まさに“今”というタイミングにふさわしい、意欲作となるのではないだろうか。

誰もが情報を発信できる“今”を顧みる復讐劇

 ドラマは、亀梨演じる慶介の母・恭子(裕木奈江)が経営していた保育園で、園児が殺害される事件から始まる。百々瀬(藤木直人)が司会を務めるワイドショー番組では、さも恭子が犯人だと匂わせるような報道が加熱。追い詰められた恭子は自ら命を絶ってしまうのだった。それから12年後、慶介は復讐を果たすために百々瀬を含む番組関係者、そして事件のキーを握る姉妹に近づく。だが、慶介はいつしか姉妹のひとりを本当に愛してしまって……。

「メディアの側にいる人間として、メディアを扱う難しさを感じました」亀梨は本作の脚本を読んだ感想をこのように語った。「自分は善として生きようとしているけれど、無意識に悪を生み出していたり、被害者、加害者になってしまう怖さが身近にある。それが、このドラマの見どころになるんじゃないかなと」実態はひとつであっても、真実は立場によって様々な顔つきを見せるものだ。特に、現代はインターネットの普及により、かつてないスピードで情報が拡散される世の中。反射的に抱いた感情が波及し、誰かを深く傷つけてしまう事態を招く可能性も大いにある。

 もちろん、全ての人が納得できる状況を作り出すのは難しい。プライバシーを守ることと、知る権利は、ある特定の状況で矛盾を生んでしまうし、ある言葉に傷つけられたという人もいれば「表現の自由だ」と主張する人もいるだろう。「報道する自由があれば報道しない自由もある」と、偏った情報を流布することだってありうる。自分にとっての善が、必ずしも他者にとっての善ではない。むしろ悪となる場合もある。だからこそ情報の発信は慎重に慎重を重ねていく必要があるのだと、私たちに今一度学ぶ機会を与えてくれるドラマとなりそうだ。

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